「すごく面白いけど、どうしても「生兵法は大けがのもと」と言いたくなる。」もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
すごく面白いけど、どうしても「生兵法は大けがのもと」と言いたくなる。
原作は読んでいないけど、アニメは見ました。
本作を見たら、赤塚不二夫さんが書いた、孫子の兵法でスポーツ店やるマンガ(入門書的な本)を思い出した。
私は大好きだったけど、世間ではまったく売れなかったらしいです。
でも、ドラッカーで、甲子園目指す話は売れるのだ、ということに感心しました。
なぜか考えてみると、孫子は暗いけど、ドラッカーは明るいし、それに赤塚さんの作品は孫子をとってしまうとなにも残らないけど、この作品はドラッカーとっても「キャプテン」(2007)のような話が残るので、その相乗効果ということなのだろうなと思った。(さすが、マーケティングの元祖印の作品です。)
私は「キャプテン」が大好きなので、ドラッカーはなくてもよかったのですが、やはり相乗効果でより楽しめたような気がしました。(ないとベタ過ぎるかも?)
それはさておき、これを見ていると、どうしても言いたいことが出てくる。
それは「生兵法は大けがのもと」ということです。
元々作り話だし、女子マネが「マネジメント」をちょっと読んだだけで、弱小野球部を甲子園に出場させることなどできるわけないし、それを言ったら終わりだけれど、どうしても気になる。
使うにしても、そうとう読み込んで、かなりの実践経験がなければ使えないし、深い理解なしに使うとかえって危険な気がする。
そもそも「マネジメント」って現代の兵法書的な本なのかな?
「機動戦士ガンダム」の富野さんが、「マネジメント」は全体主義にならないための本と言っていたけど、それが一番合っている気がする。
日本は基本的に全体主義だから、ドラッカー思想に触れると、そうだ、そうだ、そのとおり、現状はだめだ、ということになるのだろうけど、今まで全体主義でやってきたのだし、悪いところも多いけど、いいところもあるはずで、結局ケース・バイ・ケースだと思う。
それから、決勝戦の審判役で、なぜか”さいたまんぞう”さんが出演していました。
セリフがまったくない役でしたが、微妙におもしろかった。