劇場公開日 2011年3月26日

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「閉鎖社会の闇」ビー・デビル フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

閉鎖社会の闇

2017年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

小さい頃に過ごした離島に休暇で行き幼馴染と再会する話

韓国はバイオレンス映画の宝庫だが、本作は隠れた名作だと思う。

パッケージの写真がまず怖い・・・

都会での生活に行き詰った主人公、冒頭から不穏な雰囲気で誰も信用できないギスギスした感じ、犯罪の目撃者として呼ばれても厄介事に巻き込まれないよう深く関わろうとしない。
主演の女優さんのクールな演技、洗練された態度がいかにもキャリアウーマンといった感じだ。

離島で待つ幼馴染の女優さんも、いかにも無知で能天気そうだが、心に秘めた物が有る演技、吹っ切れてからの形相は見事だ。

離島ゆえの風習、暗黙の了解、閉鎖社会、表向きはただの田舎だが、裏には深い闇が有る。

一見、普通そうな島民だが、にじみ出る悪意やいやらしさを俳優陣は素晴らしい演技で見せてくれた。

嫁への暴力、娘への性的眼差し、旦那役と弟役の人は本当に気持ち悪いし、伯母さんも憎たらしくて幼馴染が犯行に及ぶまでの生活を説得力のある演技で現実であるかのようだった。

惨劇は起こるべくして起きてしまうし、主人公は傍観者として巻き込まれるのだが。その傍観こそが一番の悪なのだと感じさせられる。
触らぬ神に祟りなしと言うが見てるだけでもダメなのだなとつくづく思い知らされた。

ほとんど救いのない展開だし傍観者としての後味の悪さはあるものの観客にこのまま見てるだけでいいのかと投げかけてくるようでもあった。
エンディングの無垢な二人の映像が胸にしみる。
地獄を作り、悪魔を作り出すような環境を知らず知らずのうちに作ってしまわないようにと思った。

劇中セリフより

「あんたは親切なんかじゃない」

いくら優しくても、いくら仲が良くても見て見ぬふりが一番の裏切り

極力厄介事には首を突っ込みたくはないけれど、首を突っ込んでしまったからには、見て見ぬふりはしたくないと思った。

フリント