「復讐は泪と共に・・・」悪魔を見た ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
復讐は泪と共に・・・
「悪魔を見た」
「一体誰が悪魔なのか?」
「こんな映画見て喜んでいるあんただよ!」 自問自答の末、自己嫌悪に落ち込むオヤジです。
だって、しょうがないでしょ!エログロ大好きな自分にとっては、まさにこの映画、超ド真ん中のドストライク。
もう~~、生々しい!ヘタなスプラッター顔負けのどぎつい場面の連続です。
特に女性にはきついと思います。イ・ビョンホンの甘いマスクのかっこよさだけを求めている人には、苦痛にしか感じられないかもしれません。 確かにカッコイイですよ、イ・ビョンホンは。めちゃくちゃ強いし、ピンチに陥った女性を助けたりしますから。でもね・・・。
相手役がチェ・ミンシクですから。見るからに悪そうなあの人が本物の悪になりきってます。悪に対抗するには、甘いマスクじゃいられない・・・。そんな感じかな。
【ここからは、一応ネタばれで・・・。ラストにも触れますので要注意】
もう~、半端などぎつさじゃないんです。殴る蹴るの暴行はもちろん、骨折り・釘さし・首チョンパ! まず、オープニングからしてビックリです。
スヒョン(イ・ビョンホン)とジュヨン(オ・サナ)の甘~い会話がギョンチョル(チェ・ミンシク)の登場で一変します。それこそ、殴る殴る・・・。
そして、白い雪に描かれた赤い道。 これで終わりかと思ったら、ビニールに包まれたジュヨン・・・(韓国の女優って脱ぎっぷりもいいんです。驚きました、あんなに綺麗な人なのに)。
惨殺シーンの始まりです。 「助けてください。子供がいるんです・・・」容赦なく振り下ろされる大包丁(?)。切り刻む様子がしばらく続き、転がり落ちる指輪・・・。
もう~、最初っから釘付けでした。この後の死体発見場面もまた強烈。川底で振り返る生首。ドジな鑑識員(?)が転ぶんです。転がり落ちる生首とそれに群がる報道記者。どんな国なんだ、ここは!正直あきれました。 あんなとこみれば、スヒョンが復讐の鬼に変わる気持ちもわかります。
そして、スヒョンの変貌ぶり!容疑者に対して容赦なしです。自慰に耽っていたヤツへの急所攻撃!痛みが伝わって来ました・・・。 ギョンチョルに対しても、容赦なし。まさにこれからって時に邪魔にはいる。思いっきり傷つけて、また放置する・・・。
何度か、この繰り返しがあって、ギョンチョルが逃げ込んだ先がまた驚きです。同じ趣味を持った殺人鬼どうし・・・?(おいおい、この国はこんな横のつながりまであるのかよ!)
こいつもまた憎たらしい、いかにもの悪人面した変態でしたが、さっそうと登場したスヒョンにコテンパンにぶちのめされます。 甘いマスクのせいもあるでしょうが、スヒョンの報復は残虐であってもなぜかスッキリとした感じがしました。ジュヨンの悲惨さを目の当たりにして気分はすっかりスヒョンに肩入れしてたんです。
でも、この後からギョンチョルの仕返しが始まります。(あのウ○コのシーンも衝撃でしたが・・・) ジュヨンの家族が襲われました。個人的には妹のセヨン(キム・ユンソ)の惨殺シーンも見たかった気がするんですが、ここはあっさりでしたね~。
そして、ラスト・・・ 泣きながら歩くスヒョンは何を思っていたんだろう?
自らの子供の目前で、親の手によって最期を迎えたギョンチョルへの復讐の達成感?
復讐は終わったが、ジュヨンは帰らない・・・それどころか、彼女の家族まで傷つけてしまった。
そして、ギョンチョルの家族まで巻き込み、彼らの心にも大きな傷を与えてしまったことへの後悔? 関わった人すべてが不幸に陥ってしまった。
復讐するということのむなしさ?
すべてが終わった・・・。
でも自分に残されたものは何もない・・・。
15年近く前の作品で、うろ覚えのところもあり、新たな気持ちで見れた気がします。
とは言え、こんなに後味の悪い作品だったかな。「セブン」や「ミスト」に迫る不快さでした。