「オードリ・ヘップバーンの軽妙さが活かされたスリラーコメディ」シャレード(1963) 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
オードリ・ヘップバーンの軽妙さが活かされたスリラーコメディ
オードリー・ヘップバーンの代表作といえば『ローマの休日』だろうが、当時のハリウッド映画の楽しさ、余裕、洒脱さをたっぷり味わえるという意味でも本作を強く推す。ヘップバーン演じる主人公はちょっと倫理観がヘンテコな変わり者で、そこに胡散臭いイケメンであるケイリー・グラントと、さらに胡散臭いオッサンたちであるジェームズ・コバーンやジョージ・ケネディらが絡んできて、もう全編にフックしかないような贅沢仕様。日本では後に「ルパン三世」がやるようなナンセンススリラーを、とにかく肩肘張らずにやってのけている。007シリーズでも知られるモーリス・ビンダーのオープニングタイトルも小洒落まくっていて、映画って軽くていいし、空っぽでも一流のエンタメはできるんですという昨今忘れられがちなことを改めて教えてくれる名作だと思っています。
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