「ジブリを追う子ども」星を追う子ども kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリを追う子ども
信州の山間、小さな村に住む渡瀬アスナ。学校ではクラス一番の成績の優等生で、働き者の少女だ。山で光る何かを見たアスナは鉄橋の上で熊よりも大きい怪物に遭遇。そこをシュンに助けられた。防空壕跡を自分だけの場所として色んなモノを持ち込み、岩の上でラジオを聴くのが趣味。そして一日を過ごした次の日、会う約束をしたのに彼は来なかった・・・死体が上がったという母の言葉も信じられないアスナ・・・
モリサキが古事記の解説をしている。「恋人を蘇らせるために地下へ赴くという伝説は世界中で散見される。黄泉の国、冥府、ハデス、シャンバラ、アガルタ・・・」と聞いて驚くアスナ。放課後、モリサキのアパートを直接訪れ、地底世界について尋ねるのだった。
のどかな山村の雰囲気から一変、シュンの弟シンに導かれるまま地底世界へと向かうアスナとモリサキ。そこからは神秘的でもあり、ストーリーもグダグダ・・・特異な存在は地底の門番たる動物。そして、飼ってた猫ミミや途中で助けた地底人と人間の混血少女リナの存在、そしてイゾクという気味悪い生き物。さらにはモリサキという男は地底人研究家であるが、死んだ妻を伝説に習い生き返らせたいという目的を持っているのだ。とにかく、気味が悪い。しかも、テーマ性もメッセージ性もなく・・・モリサキにしろ、シンにしろ、地底人たちにしろ、何かしらの目的意識を持っているのだが、アスナに関しては何か物足りない面もある。そして滅びゆく種族に対して何も訴えてくるものがないという欠点も。
映像やキャラクター画なんてのは、今までの新海作品と違い、ジブリアニメに影響を受けすぎてるような気もする。決定的に違うのは宮崎駿のような思想が感じられないところだ。