「クリーチャーが跋扈するカルピスこども劇場みたいな異色作」星を追う子ども よねさんの映画レビュー(感想・評価)
クリーチャーが跋扈するカルピスこども劇場みたいな異色作
山奥の小学校に通う明日菜は母と二人暮らし。放課後は独りで山に登り、手製の鉱石ラジオを聴くのが日課。ある日いつものようにラジオをつけると不思議な歌声が。そんな折、村ではクマらしき動物が目撃されたという噂が広がり、明日菜は山に向かう途中でその動物に遭遇するが、それはクマではなく見たこともない怪物。その怪物に襲われそうになった時、間一髪のところで明日菜は見知らぬ少年に助けられる。翌日明日菜はまたその少年シュンと出会う。また会おうと約束して別れた明日菜だったがシュンは現れず、落胆した明日菜が帰宅すると身元不明の少年の遺体が見つかったと母に知らされる・・・からのジュブナイルファンタジー。
冒頭に投入される『アルプスの少女ハイジ』ネタにまずビックリ。『アルプス〜』と『フランダースの犬』の欧州風味を滲ませ、フォルクローレが鳴っていないのが気持ち悪いくらいの『母をたずねて三千里』風の中南米情緒満載というカルピスこども劇場風味。そこにジブリの諸作品群に出てきそうなクリーチャー達が跋扈する異色作ですが、切なさを滲ませたエンディングが舌足らずな物語を補完していて美しいです。
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