「限定された環境で展開する力強い物語」127時間 cross yukiさんの映画レビュー(感想・評価)
限定された環境で展開する力強い物語
以下twitter(@skydog_gang)への投稿に加筆――
主人公が一つの場所に釘付けにされ動けない、という限定された環境で起こるドラマを、幻影・過去の記憶・ビデオカメラなどを使ってテンポよく描く手腕はあざやか。
色彩デザインも美しい。青→赤→青と行き来する色調がそのまま生と死の境になっているように感じた。
一方、感傷的な生命讃歌に走らない、一歩引いた、というか多少突き放した感さえある視点からの演出は好みの別れるところかも知れない。現実とフィクションが交わる不思議な浮遊感のあるラストも同様。この「覚めたしぐさで熱く見る」感覚はまさしくダニー・ボイル節。面白い。
「一匹狼のタフガイ」であることがカッコいいと思っていた主人公が、終盤、こちらに向かってくる家族に「I need help!!」と大声で叫ぶところが素晴らしかった。主人公はここでようやく、自らすすんで世界と繋がったんだよなぁ…。
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