「意外なるボディブロー」髪結いの亭主 Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)
意外なるボディブロー
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かれこれ20年ぐらい気になってたし、同じルコント作品の「橋の上の娘」は昔、両親と劇場で観たので(←それもすごいな、、)だいぶ自分のなかで期待値は上がってたんですが。
いやはや、、フランスものだし、官能って書いてあったし、てっきりブリジット・バルドーの「殿方ご免遊ばせ」のようなエロチックコメディだと思っておったのですよ(それも古いな)。こんな、しっとりとした文芸ロマン的なテイストだとは夢にも思ってませんでした。冒頭――つまりアントワーヌの少年時代――からけっこうしっかりとした語り口で、"あ、これ、どうやら単なるエロチックコメディじゃねぇな"っていう予感はしたのですが。
アンナ・ガリエナ?色っぽいですねー、、仏製キム・ベイシンガーって感じですか(キム・ベイシンガーよく知らないので適当に言ってますけど)。ロシュフォールも雰囲気が良い。マイケル・ナイマンの音楽も。脚本も。
ラストも、説明過多でないのは良いですね。やたらハートフルで子供騙しで説明過多な邦画やドラマには辟易なので、こういうのはさすがだなと思います。しかも製作90年か、、(衝撃)
ただ、"霊の恋でも肉の恋でも"(←あえて古い表現を使ってみた)、二人いっしょに幸せの絶頂で逝こうというのならまだ分かるんだけど、愛する人を遺して一人すすんで逝く気持ち、私には分からないな。分からないし、アントワーヌ可哀想。
幸せすぎてもう生きられない、っていう境地だったのかもしれないけどね。
遺されたアントワーヌってか相手のこと考えたら、、私は無理だな。なんて、まぁ自分の身に引き寄せて、そんなことを思いましたわ。
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