ディア・ブラザーのレビュー・感想・評価
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スワンク選手でございます
ご贔屓スワンク選手の大炸裂
法廷ものかと思いきや、弁護士になるまでの過程と服役中のお兄ちゃんのシーンに多くの時間が割かれていますが、人物描写が実に丁寧でリアリティが抜群です。
最近実話の冤罪ものを何本か拝見しましたが、アメリカって今でも証拠捏造や人種偏見による冤罪がいまだに何百件もあるんですね。日本では考えられない。
死刑廃止論の理由の一つに冤罪があり、そんなの今時あり得んだろう、と思っていましたが、確かにアメリカはヤバイですね。
染み込むように…
兄の無実を信じて、子育てし、働きながら弁護士になり、証拠を集め、そして…
実話に基づいて作られた映画だそうです。
ということで、ある程度結末は想像つきましたが、期待を裏切らないラストで、染み込むように救いを感じるストーリーでした。
それにしても、警察の横暴は許せませんね。
唯一、気になったのは前半の展開が時系列に編集してないこと。幼いときから、仲のいい兄妹が、成長し兄はアウトサイダーになり、事件が起き、冤罪で逮捕され、という流れがなぜかシャッフルされて構成してあります。
混乱しましたね。
ヒラリースワンクも年相応に老けメイクをしているのでしょうが、彼女だけがトシを取らない感じでした。
逆に、捏造した女性警官役の若作りにも無理があったような…
とにかく、映画の中で何十年の時間がすぎているということが、あまり上手に描かれていないのが残念です。
2014.6.22
死刑制度再考
殺人で有罪判決を受けた兄を救うためとはいえ、ここまでできるものだろうか……。
途中はベティ・アンの執念がいきすぎた狂気にも見えた。
幼い時に恵まれない環境の育ち、お互いだけが支えだったからこその絆の強さなのかもしれない。
やはり、冤罪の可能性がゼロでない以上、死刑制度は間違ってるのかなぁ。。。
Am I going to make it through school, pass the bar?
これは本当にあった兄弟の絆を話を映画化したもの。
ベティ・アンと兄のケニーは、幼い頃から、お互いを思いやって育ってきた。でも、
ケニーに終身刑が言い渡されてしまう。この判決に納得のいかないベティ・アン。兄の無実を信じていたし、兄も監獄で、妹が自分を出してくれるという確信があったと言う。ウエートレスだったアンは大学、LSAT,法律学校、バー試験と、自分の家族も犠牲にして、兄を救うためだけに弁護士になった。お互いに信じあっている兄弟の絆は誠に強い。
米国マサチュセツ州には死刑制度がない。だから、証拠不十分で、有罪を言い渡された人々はなんとか無罪を証明しようとするが、これは至難の業だ。その当時はDNAという有力な証拠になるものもなかった。
死刑制度がないから、無実の人間が救われることができるが。
このケースだけではなくDNAという証拠がなかった時代は数多くの無実の人が終身刑だった。
終身刑が言い渡された後の裁判の書類は10年だけ保存しなければならなかったので、アンが弁護士になってから、兄の裁判の書類はすでに破棄されていた。幸いなことに、理解のある人々の協力でそれを見つけ出すことができた。
2001年に兄は刑務所から出られ自由の身になった。18年投獄されていた。
自由の身になって約6ヶ月後兄は交通事故で亡くなったと、最後に書いてあった。
実話が出来すぎで…
実話、があまりに出来上がった話ではあるので、それをどう見せるかが映画。
そして、この実話のどこに共感し重点を置きたかったのかがいまいちはっきりしない感じ。冤罪問題を中心に置くのか、長い歳月を掛け兄の無罪を勝ち取った兄妹の絆を描くのか、はたまた犠牲にした家族、様々な場所に視点は持っていける。
で、この映画は全部のせみたいな印象を受けたので、もう一歩どこか一点にフォーカスし踏み込んでほしかった。惜しい。
ベティアンの友人の描き方なども道具仕立てな感じで軽くしているし、息子たちとのすれ違いの描き方も薄い。
なんならそれらはばっさり切り落として、兄の無罪をどこまでも信じ続けそれを力に変えたベティアンの内面をもっと深く描けばよかったのに。
でもヒラリースワンクはすばらしかった。
同情も共感もできない
放っておいてもいつかは人殺しをやりそうなほど凶暴な者を冤罪でも20年近く刑務所で隔離していたことは、社会的にも安全で正解だった。
妹の努力に感謝して更生するでもなく、やれ「死にたい」だのと言ったり、妹にべったり頼ったりで、もう見るに凌ぎなかった。
理不尽さに、観ながら腹が立った!
確か、何かの番組でこの兄妹の話を聞いたことがあったのと、Black Swanのブルーレイの予告に入ってたので、気になって借りてみました。
あんまり法律用語の英語には詳しくない私、、
英語のみでの鑑賞は、なかなか難しい・・・。
難しい言葉は大体予測して、最後まで鑑賞。
内容は。
どこの国でも、警察のメンツを守る為だけのえん罪被害者っているんだなぁーってこと。
この映画の中では、Nancy Taylorという女性警官が、容疑者Kennyの身近な人を脅迫して、証人としてでっち上げ、彼を終身刑にしてしまで、自分のメンツを保ったこと。
そして、こんなバカなえん罪を作り上げてる間にも、真犯人は未だに見つかっていないという、全てにナンセンスな悲しい事件。
18年も経って出てきた後、Nancyは時効で刑事責任を負わせられないとのこと。
この18年の間、何の罪も犯していない人を、自分の都合で終身刑で刑務所に送り、自分はのうのうと笑って生活していたのかと思うと、何だか怒りがふつふつと。
この映画、Nancy Taylorの子供や孫やひ孫、末代まで、全員に戒めとして毎日でも観て頂きたい。恥じて欲しい。ま、子供達〜は関係ないんだけどさ。。
だけども、少なくとも自分の親だから、親族だから、とNancyをこれで擁護するような人間が、これ以上出て欲しくないわ。
映画の中で、
「マサチューセッツ州には死刑が無かったから、他の死刑のある州だったら無実でも、とっくに殺されてるわ!」
と、泣き叫んでいた。
そうだ、日本は死刑制度があるんだわ。
私は死刑制度は、賛成派。
でも、こういうえん罪で、死刑になってしまった人、日本にだっていたんだろうな。
そう思うと、手放しで死刑を賛成するわけにもいかなくなったな。
それよりも、こんな悲しいえん罪を作り出してしまう、アメリカ然り、日本然り、世界中の警察・検察・司法達よ、プライドを捨てて、お互いの敵対心を捨てて、真実だけを追究して欲しいと思う。
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