「日本劇場未公開こそ罪の、見応えアリの力作&兄妹愛!」ディア・ブラザー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
日本劇場未公開こそ罪の、見応えアリの力作&兄妹愛!
幼い頃から苦楽を共にし、固い絆で結ばれているケニーとベティ・アンの兄妹。突然、ケニーが殺人事件の犯人として無実の罪で捕まる。弁護士を雇うにも、お金が無い。ベティ・アンは自分が弁護士になって兄の潔白を晴らそうと決意、長い闘いが始まった…。
ドラマチックな話だが、実話。
以前TVでこの話の事をやっていて(まる見えだっけ? 仰天ニュースだっけ? アンビリバボーだっけ?)、ずっと見たいと思っていた作品。
素直に感動した。
実話なのでオチは分かり切っている。無実を勝ち取った。
苦節18年!
こんなに強い兄妹愛ってなかなか無い。
誰でも出来る事ではない。
何故、そこまでして闘う事が出来たのか。
ベティ・アンに特別な才能があったとは思えない。改めて、人間一人の強さを感じた。
兄妹は札付きのワルだったそうな。
だからと言って、無実の罪に問われるのはあんまりだ。
ケニーを殺人犯として不正までして逮捕したあの女警官こそ許されない。(時効でこの女警官がもう罪に問われないなんて!(怒))
また、司法は時として冤罪者に無情。
兄の無罪の為に奔走し、ベティ・アンも家族との間に不和が生じる。
綺麗事やお涙頂戴だけじゃないテーマこそ描かれ、見る者に問いかける。
やはりヒラリー・スワンクには、こういう芯の強い女性役が良く似合う!
サム・ロックウェルも、粗野に見えるけど、決して悪人ではない絶妙なバランス加減が見事。
闘い続けるヒロイン、幾度も立ちはだかる壁、感動的な兄妹愛…娯楽性も充分のように思えるが、娯楽より事実を重視した作りで、少し地味。クライマックスも意外とあっさり。
だけど、それらを差し引いても、見応えアリの力作。
失われた18年は長く重く、帰って来ない。取り戻す事は出来なくても、やり直す事、また歩み出す事は出来る。
日本劇場未公開。
それこそ罪だ!