劇場公開日 2011年1月29日

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「ツッコミどころを笑えるかどうかが肝」RED レッド 永賀だいす樹さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ツッコミどころを笑えるかどうかが肝

2013年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

REDとはRetired Extremely Dangerousで「引退した超絶危険人物」という意味で、年寄りのオッサン(&オバサン)たちが、現役世代に負けじとがんばる映画。
元凄腕たちの底意地を感じる一方、現役がタジタジとなる展開にツッコミどころが満載。それにいちいち目くじら立てず、そういう世界なんだと笑い飛ばすのが本作鑑賞の流儀。

建売住宅に一人で暮らしているフランク(ブルース・ウィリス)のところに、黒尽くめで銃を装備した連中が襲撃してくれば一蹴。
脂の乗った40代男子のCIAエージェントを手玉に取り、チェイスでも格闘戦でも圧倒。
全米をあっちこっちしつつ、同じく引退した老人仲間と合流しながら絶体絶命のピンチを軽くあしらう。

圧巻はリボルバー拳銃vsとバズーカのシーン。
西部劇なら、さしずめ「抜きな。どっちが早いか試そうぜ」というところなんでしょうが、おっさんリボルバーと中年オバサンのバズーカではいかにもアンバランス。
もちろん勝負はREDなリボルバーおやじの勝利。「ありえねー!」とツッコミ入れながら笑い飛ばしましょう。それが本作鑑賞の流儀。

個人的にはフランクと仲間になるマーヴィン・ボッグス(ジョン・マルコヴィッチ)の偏執っぷりがお気に入り。何かとアレな行動ばかりが目立つ人物ながら、そのすべてが次の危機の前振り&対処になっているという人物。
前述のリボルバーvsバズーカ対決では、リボルバー側に立った当の本人。何かとシビレます。

本作の魅力としては「おバカさ」と「ラブロマンス」の二つ。
おバカさは老人が現役を圧倒するアクション。まるっきりのリアリティ度返し。だからおもしろい。
他方のラブロマンスは、フランクが年金係の女性といい感じに。これが若い美女となれば荒唐無稽さに拍車がかかって、観客としてもついていけない感バリバリになったハズ。
ところがどっこい、実際は40代くらいの女性を配置することでリアリティを保障。なるほど、アクションのおバカさを、ラブロマンスで中和する作戦かと納得。

なんかしらん悪役が悪さして、どうしてフランクが巻き込まれたのか、その明確な理由がイマイチわからないままエンディングなのだけど、そんなの関係ないのが本作。
とりあえず話が進んでいく中で、オッサン&オバサンが活躍するのを堪能するのが正しい見方。

では評価。

キャスティング:5(アクション担当のウィリス、重厚感担当のフリーマン)
ストーリー:6(よーく追うと破綻しているものの、頭からっぽにして見てる分には安心感たっぷり)
映像:6(リボルバーvsバズーカのタイマンは見る価値あり)
おバカ:8(ンな阿呆なが満載)
ラブロマンス:2(エロいところは少なめ)

というわけで総合評価は50満点中27点。

なんやかんやと理屈をつけて文句言う映画ではありません。リアリティ至上主義者には向かないものの、ある種のおバカなアクションを求めている人にはこの上なく要求を満たす作品。オススメ。

永賀だいす樹