「赤き死よ、来たれ。 後半は、ブルース・ウィリス電池切れ。」RED レッド たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
赤き死よ、来たれ。 後半は、ブルース・ウィリス電池切れ。
元CIA工作員の年金生活者フランク・モーゼズと、彼の命を狙うCIAとの戦いを描くアクション・コメディ。
主人公フランク・モーゼズを演じるのは『ダイ・ハード』シリーズや『シックス・センス』の、名優ブルース・ウィリス。
フランクの元同僚、ジョー・マシスを演じるのは『ショーシャンクの空に』『ダークナイト』シリーズの、レジェンド俳優モーガン・フリーマン。
元MI6のエージェント、ヴィクトリアを演じるのは『銀河ヒッチハイク・ガイド』『ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記』の、レジェンド女優デイム・ヘレン・ミレン,DBE。
まず最初、映画会社のオープニングロゴに驚いた。これDCコミックス原作なの!?
正確には「X-MEN」で知られる天才アーティスト、ジム・リーが設立した「ワイルドストーム」という会社から出版されたもので、そこをDCが買収したということみたいなのだが、DC傘下なのは間違いない。
これってジェームズ・ガン主導で目下始動中の「DCU」というシリーズに、本作の主人公フランクが参加する可能性もあるということ?
ブルース・ウィリスが俳優を引退しちゃったからキャストは変更されるんだろうけど、バットマンvsフランク・ローゼズとかめっちゃ面白そうじゃん♪
「最強の年金生活者」という設定はとても面白く、フランク・ローゼズは魅力的なキャラクターだと思うのだけど、この映画自体の出来はイマイチ、いやイマニ。
映画冒頭の畳み掛けるようなサスペンス&アクション&コメディ展開には大変惹きつけられたのだが、正直その面白さは持続しなかった。
中盤、CIAエージェントのクーパーとのステゴロバトルを境に映画の勢いが目に見えて失速。
その後、ヘレン・ミレンの頑張りを除いては全く見どころのない映画へと転落してしまう。
ブルース・ウィリスの健康上の問題があったのだろうか?そう慮ってしまうほど後半のブルースは空気。
普通の映画ならクライマックスに最大の見せ場となる大アクションを用意すると思うのだが、本作はまさかの喉輪によって黒幕を一撃KO💦えっ、これで終わり!?
予算が尽きたのか、ブルース・ウィリスが燃え尽きたのか…。とにかく不完全燃焼な映画だった。
そういやモーガン・フリーマンも雑に退場してたな…。飽きちゃったのかな?
ヒロインの描かれ方もいかにも旧来的。
コメディリリーフとして映画をかき回しているうちはまだ良かったが、その後は主人公を無条件に愛し、お荷物になった挙句敵に捕まり、ただただ救い出されるのを待つだけ、というテンプレお姫様キャラになってしまう。
公開当時ならまだしも、現代においてはこういうキャラクターはもう通用しない。10年少々でヒロイン像は大きく変わったね。
とまぁそんなわけで、前半はなかなか面白かったものの後半はダメダメ。同年公開されたシルベスター・スタローン監督/脚本/主演の『エクスペンダブルズ』と内容が被っているが、面白さは『エクペン』の圧勝かな。
ここからは余談。
フランク・モーゼズは50代後半という設定。かなりのジジイみたいに扱われていたが、実はまだ50代なのである。
真田広之62歳、トム・クルーズ60歳、ブラッド・ピット59歳、キアヌ・リーブス58歳、ジェイソン・ステイサム55歳と、今や50代後半〜60代の俳優によるアクション映画は珍しくないし、それを観ても「全く、ジジイが無理しちゃって…」とは思わない。普通に受け入れてしまう。…まぁそれはこの人たちが異常なだけかも知れんが。
ヒロインの描かれ方も変わったが、アクション・スターの年齢層もここ10年で大きく変わったね。
アクションスターの高齢化とは、とどのつまり若いスターが出てきていないということなのだろう。一番若くてシャーリーズ・セロン(47)なんじゃね?
このままだとトム・クルーズやキアヌ・リーブスが抜けた後のアクション映画界が大変な暗黒期になってしまうかも🌀
個人的にはクリス・エヴァンスに期待している。あのボディーは筋肉界の宝だ💪『ギフテッド』みたいな人情ものに出演している暇があったら、もっとバリバリのアクション映画にバンバン出演せんかい!!