木洩れ日の家でのレビュー・感想・評価
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「一人で死ぬこと」への決意
いかにして死ぬか。という問いは、具体的には死の直前の生活をどうするのかということと同じだと思う。主人公の老女は一人で、と言っても愛犬と一緒なのだが、静かに暮らすうちに死を迎えたいと願い、息子や孫、隣人たちとの交渉をできるだけ持たないようにする。
かつては可愛らしかった息子も、今や濁った眼を持つ中年太りだ。孫に至っては、すでに父親同様の肥満体型。老境を愛すべき肉親に囲まれて楽しむ風情ではない。
人生の終わりの瞬間を一人静かに迎える。これが彼女の決めた過ごし方なのだ。
これが寂しいだろうか。むなしい人生だろうか。本心から愛すべきもの以外には指一本触れられずに死を迎える。安らかな最期を迎えた主人公のような生き方をしたいものである。
それにしても主人公が愛する犬のフィラデルフィアの名演ときたら。無口で無表情な主人公に対して、表情も運動も豊かで、映画全体のバランスがとれている。
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かくありたいものです
老婦人の晩年の日々。好き、嫌い、楽しい、悲しい、最期まで自分らしく。かくありたいものです。
一人気ままに暮らしつつ世間の情報収集も欠かさない90歳、ヤリテです。
第一次世界大戦の頃からポーランドで生きてきた事も時々覗いてハッとさせられますが、たぶん彼女より歴史を抱えた屋敷と共に、彼女は自分の"今"を堂々と生きていました。
実年齢も当時91歳のダヌタ・シャフラルスカさんが とってもチャーミングです。相棒のワンちゃんもチャーミング、ほとんどが一人と一匹芝居ですが、しっかり渡りあってました。
穏やかな時の流れに、ねむたくはなりました。まあ、彼女もそんな暮らしだし、いいやなんて。おおらかに思えたりしました。
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