「【”中国武術の誇りのため。”英国統治下の香港で繰り広げられるカンフーVSボクシングシーンは十二分に見応えがある作品。ラストのイップ・マンの観客に発したメッセージもムネアツな作品でもある。】」イップ・マン 葉問 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”中国武術の誇りのため。”英国統治下の香港で繰り広げられるカンフーVSボクシングシーンは十二分に見応えがある作品。ラストのイップ・マンの観客に発したメッセージもムネアツな作品でもある。】
■第二次大戦の終結後、家族と共に香港へ移住したイップ・マン(ドニー・イェン)は、詠春拳の道場を創設する。
そんな中、香港の武術界を牛耳る洪拳の師範・ホン(サモ・ハン・キンポー)は、イップ・マンに他流派の師範たちの挑戦を受けるよう忠告するが、彼は次々と師範達を蹴散らしていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、カンフーの見せ場が盛り沢山である。最初はイップ・マンが香港で武館を開くために、香港の他流派の師範たちとのレストランの円卓上での闘いである。
彼は、師範たちを打ち負かし、最後は洪拳の師範・ホンとの一騎打ちシーン。ワイヤーを使っているとはいえ、見応えがある。
・続いて、愚かしき英国警察署長が仕組んだ、ボクシングチャンピオン、ツイスターとホン
との、壮絶な闘いである。
ホンも健闘するが、最後はツイスターの重いパンチの連打を受け、ダウン。そのまま帰らぬ人になってしまう。
・最後は、イップ・マンとツイスターとの闘いである。イップ・マンはツイスターのパンチを受けながらも、キックでダウンを奪うが、英国側の”キック禁止”を受けての試合再開。
その時に、イップ・マンはホンへのアドバイスを思い出し、ツイスターのパンチを掻い潜り、中肋骨を責め、最後は仰向けになったツイスターの顔面をホンの代わりに連打してノックアウト勝ちを収めるのである。
この試合は観ていて大変熱くなる。
■だが、今作で一番心に響くのは、勝利者インタビューでイップ・マンが語る言葉である。
”私は勝ったが、中国武術がボクシングより優れている訳ではない。人は身分の違いはあれど、その品格は同じで貴賤の区別はない。今、この瞬間から私たちが心を開き、互いを尊重出来るよう願う。”
素晴らしい言葉であり、彼のメッセージに対し英国の観客たちも立ち上がり万雷の拍手を贈るのである。
<今作は、アクション監督を前作に引き続き担当したサモ・ハン・キンポーが自らホン師範として出演するシーンも嬉しいし、何よりドニー・イェンのしなやかなカンフーが堪能できる逸品なのである。>
イップ・マンの映画で初めて木人椿というのを見ました。コロナの最中だったか、新宿の映画館でイップ・マンをひたすら上映してるとき、ロビーにその木人椿がありました。少し触りましたが、やり方もわからないのでトレーニングできませんでした・・・