「エンドマークの後これからハッピーエンドが展開されると信じたいと思いました」八日目の蝉 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
エンドマークの後これからハッピーエンドが展開されると信じたいと思いました
八日目の蝉
2011年公開
いっぱい泣きました
子供を育てた経験があると、子供が一番可愛らしく子供らしい時期を奪われることの残酷さは想像を絶することです
なのに誘拐犯に感情移入をわざとさせるのです
ブレーキを踏んでアクセルを踏みつけたように感情が空回りしてしまうのです
八日目の蝉の意味は劇中で語られます
つまり堕胎です
誘拐犯の胎児は普通の7日目の蝉のように胎ろされしまいました
それなのに八日目の蝉のように、生きて目の前で泣いていたのです
殺してしまった胎児の代わりに色んなことを沢山見せて、経験させてやりたかった
冒頭の裁判シーンのとおり、悪いは誘拐犯だというのは頭では分かっているのに、それでもなお、小豆島の幸せな日々に感情移入してしまうのです
引き離された幼児の薫の心の傷の大きさにも感情移入させられるのです
強制的に忘れさせられた幸せだった日々の記憶を取り戻したとき、薫は自分の子供を7日目の蝉にはしないと決意しています
母になる自信と喜びに笑顔が輝いているのです
例え八日目の蝉の記憶であってもそれは確かに母から愛された幸せな記憶です
同じように自分も子供を愛せるという母の自信が生まれたのです
生まれた子供を薫は両親に孫として見せることができると思います
両親もまたきっとその孫を受け入れることが出きると信じたいです
誘拐され生きて帰ってきてはいても自分達には7日目の蝉のようになった子供の代わりに今度は薫が生んだ孫が八日目の蝉のように赤ちゃんとして戻って来るのです
愛情をいっぱい降り注いで、赤ちゃんも愛情を受け止めてくれてわらって共に成長する日々が祖父母と孫の関係であってもできるはずです
見守ることができなかった薫の成長を孫の成長として取り戻すことがきっとできる
赤ちゃんの父はいなくとも幸せな家庭がきっと再建できる
赤ちゃんは幸せに愛情いっぱいに成長できる
そう思いたいのです
エンドマークの後これからそういうハッピーエンドが展開されると信じたいのです
傑作です、俳優の演技も監督の演出も素晴らしい作品でした
現在と過去の記憶がシームレスにつながる演出が巧みでした
終盤の印画紙に鮮明に浮かび上がる母と幼い自分の姿をみて全てを思いだして走りだすシーンにも感動させられました