ブラック・スワンのレビュー・感想・評価
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もう少しソフトな味付けの映画が観たかった・・・
東日本大震災前日3月10日に「英国王のスピーチ」を観て以来久々に劇場で鑑賞した。自粛していたわけではないが、奇しくも同じくアカデミー賞の主演賞を獲った映画だ。心理スリラーと銘打っていたので、ある程度は覚悟していたのだが、ここまでホラーめいた映画だとは思いもよらなかった。一見華やかなバレエという職業が実際は過酷だということは痛いほどよくわかったが、ああまで見せつけられると、何だか夢がなくなるなぁ。プリマバレリーナはそりゃあ大変だと思うけど、あそこまで主人公を追いつめなくてもよかったんじゃないかと思う。観ていてつらくなってくる映画だった。ナタリー・ポートマンは主人公の雰囲気にぴったりで、すごく頑張っていたと思う。アカデミー賞は納得の演技だ。お疲れさまでしたと言いたい。愛まで掴んだんだから、苦労も報われたね。おめでとう!
圧倒的な演技力
ナタリーの演技に圧巻。言葉がでない。
踊り子とアーティストを分かつ何か
ポートマンの鬼気迫る演技作品
ナタリー・ポートマン
僕の中では、レオンのマチルダのイメージくらいしかなかった。
ですが、アカデミー賞獲得も、頷ける演技力だと思います。
特に、メイクもあるけど、黒鳥のニナは、ポートマンじゃないみたい。
また、女性同士の濃厚ラブシーンや、ひとり・・・のシーンは、
こんなシーンも出来るんだ、とちょっとビックリ。
が!本当に久しぶりに、「痛い痛い」と
途中途中で目を逸らしたり、閉じたりしちゃいました。
個人的には、スリラーというより、ちょいスプラッター作品です。
ラストも、こういう終わり方?という感想。
作品内容云々というより、
ナタリー・ポートマンの演技力に尽きる作品。
バレエのシーンは、興奮します。
絶対観て!とオススメしたい作品ではありませんが、
鬼気迫るポートマンを観たい方は、劇場でご覧下さい。
シックス・センスの時みたいに、ビクッってする場面あり。
ナタリーポートマン主演のサスペンス・スリラーですよ。
物語は~
バレエダンサーのニナは、とにかく真面目な性格。
白鳥の湖の主役の座を掴んだものの
性格が踊りにも反映しているため
儚げな白鳥の踊りは完璧に踊ることが出来るけれど
王子を誘惑する黒鳥の踊りが上手く踊ることが出来ません。
演出家や新人バレリーナ、そしてニナの母親との関わりを織り交ぜながら
ニナがだんだんと精神的に追い詰められていく様子が描かれていきます。
話が後半に進むほど、怖さが増していきますよ~。
幻覚と現実が交錯する中、ニナが見る映像に
ヒェ~~~!と思わず力が入っちゃったりして。
私が注目したのはニナの母親。
過保護というだけではなくて
実はニナにすっごいプレッシャーかけまくってるんです。
私も2人の子を持つ母ですが・・・
こんな風にならないように気を付けようってしみじみ思っちゃった。
ナタリー・ポートマンは見事!この作品でオスカーの主演女優賞をGET!
うんうん、納得。なかなかの演技でしたよ。
Hなシーンも結構あったりしますし。頑張ったなぁ~って。
ただ、役作りのために10kgの減量をしたとかで
普段から外国人の女優さんとしては
それほどメリハリのあるボディではなかったのに
ガリガリになっちゃって・・・。
ホント痛々しいって感じでした。
更には、役に飲み込まれていっちゃうしね。
私で良ければ友達にしてください。そんなに悩まないでぇぇ~~~!
と声を掛けたくなるほどでしたよ~。
え?困った、大変じゃん!
なぁ~んだ、良かったよぉ~。
なに?やっぱり、そう来るか・・・
みたいなエンディングです。
そうそう今回、ガルガリなナタリーポートマンですが
最後のカット、顔のアップがとても綺麗なので
ちょっとホッとしたりしましたよ。
ブラックスワン星は~
4つです。
迷っている方、劇場へ!!
ポートマンの白から黒への変容ぶりに、鳥肌が立ちました。
とにかくポートマンの白から黒へいきなり変容する演技が凄すぎて、息をのみました。アカデミー賞を取ったのも当然の作品でしょう。
ただポートマンだけが評価されるのは、異議ありです。本作のダーレン・アロノフスキー監督の観客を突き放しつつも、巧みに背景を推測させていく、演出の巧みさにももっと評価されるべきでしょう。そして、小地蔵がマイベストとしてリスペクトしている監督の前作『レスラー』と同様に、主人公が追い込こまれて、崩れていく描写のうまさも特筆ものであると感じました。
ちなみに本作は、元々「レスラー」の伏線としてストーリーが考えていたそうです。しかし、とても描ききれないと判断して、スピンアウトして誕生したのが本作です。どことなく二つの作品には、共通した哀しみが漂うのも、「一卵性双生児」だからでしょう。そして、二つの作品に共通するもう一つの点として、「何かに取り憑かれる人々」の物語であるということができます。
主人公のニナは、ニューヨークのある一流バレエ団に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っていました。母は元ダンサーで、今では絵画を描く日々を送っている。母は自分が果たせなかったバレリーナとしての夢をニナに託し、ニナに対して過剰なほどの愛情を注いでいたのです。そんな母の願いを受けて、ニナはプリマ(主役)を目指して努力する生真面目な女性でした。
そんなニナにチャンスがやってきます。興行動員が落ち込んでいたバレエ団は次の公演で新演出による『白鳥の湖』の上演を目指すことになったのです。しかも、芸術監督ルロイは、これまでのプリマだったベスを引退させて、新たなプリマを抜擢すると発表しました。
ニナも候補に入り、果然ルロイにアピールします。しかしニナには根本的な欠陥がありました。『白鳥の湖』の主役は、純真で無垢な「ホワイト・スワン」と官能的で邪悪な「ブラック・スワン」の二役を一人で踊らなければならない役どころ。相反することがらをひとりで表現できなければならないのに、ニナは箱入り娘で育ったせいか、潔癖症なため、全く官能的な表現ができなかったのです。
それに対しライバルのリリーは、自由奔放で男を誘惑することに長けていて、ブラック・スワンをその身で体現しているような踊りをニナに見せつけます。ニナは焦って、「ブラック・スワン」に成りきろうとすれば、自分のなかに宿るダークサイドな一面を見つめざるを得なくなります。それがラストにとても危険なことにつながっていくことを、本人も気がついていませんでした。
ニナのダークサイドな一面の端緒は、オーディションのとき、いきなりキスをしてきたルロイの唇を噛んでしまうようなところに。ニナに意外な面があることに気付ついたルロイは、自分の考えを翻し、ニナを主役に抜擢したのてす。
しかしプリマの重圧から、ニナは精神的に疲れ、幻覚や妄想といった精神病的な症状に悩まされるようになっていきました。もしもの時の代役として控えているリリーが、自分がせっかく射止めた主役の座を奪おうとしているようにも思えてならなくなっていたのです。ルロイは、ニナのブラック・スワンを演ずる時の寒々とした完璧主義的な踊りを厳しくダメだしします。相手役の王子を性的に魅了するような情熱に欠けていたのでした。
トマスのアパートに立ち寄ったニナに、ルロイは自身で性的な喜びを追求することが必要だと言って、ニナを帰してしまいます。女としても、見てくれないことにショックを抱くニナでした。
帰宅したあとのオナニーシーンが色っぽかったです。またリリーとレズビアン的なセックスもあり、まさにポートマンは役に体当たりしています。
「レスラー」同様、舞台裏の楽屋や狭い廊下で主人公を追うのは、主に手持ちカメラです。しかし「レスラー」のドキュメンタリー・タッチに対し、こちらはまるでホラー映画のようです。ニナの狂気は具現化され、「エクソシスト」で悪魔に取り憑かれた少女のように、邪悪な黒鳥に変わっていくのです。その映像は圧倒的。
バレエのスタジオや楽屋に無数にある鏡が、ニナの姿を様々に映し、やがて合わせ鏡の中の像が無限に分裂していきます。同時にニナの中の白鳥と黒鳥も分裂し続け、決して止揚されません。ついには黒鳥がドッペルゲンガー(もう一人の自分)となって暴走しだします。不安定な手持ちカメラの生々しさ。鏡の中の顔が悪魔の形相に変わるショック。ホラー映画のテクニックを駆使し、ニナの見る幻想が異様な緊張感と官能で描かれます。
本作で、鏡は重要なシンボルです。ニナはいつも鏡を通じて自分を見ていました。鏡は、時としてニナとは違った行動をとったり、そこに写るべきものが写さなかったり、不思議な描写をします。それが意味するのは、「鏡を通じて作られた自分」であり、鏡とは自分をコピーのように育て上げようとした母親を意味するのではないでしょうか。「鏡」の一部で行うラストの衝撃的な行動は、母親からの自立を目指したかったからではないだろうかと思えました。それをふりきるためには、数多くの苦悩とこれほどまでの犠牲が必要だったのです。「私、感じてたわ。完璧よ。私、完璧だったわ」という最後の言葉は、やっと母親に認められて、母親から卒業できた安堵の言葉だったのかも知れません。
圧巻は公演シーン。ほぼ完璧にバレリーナになり切ったポートマンの演技が本作に命を吹き込んでいました。撮影前の10か月間、毎日5時間に及ぶトレーニングを積み、9キロの減量をして、たっぷりとある踊りの場面のほとんどすべてをこなしたそうです。
少女時代にバレエの経験があるとはいえ、本物に見せるには超人的な努力が必要だったでしょう。演技というレベルを超えた、狂気すら感じさせます。ポートマンもまた、ニナという役に取り憑かれたのではないでしょうか。
観客もまた、主人公と共に取り憑かれて、迷宮をさまようことになった2時間でした。
追伸
但し、引きのショットは極力回避されているものの、群舞などの引きのシーンでは、ナタリー・ポートマンの顔面をCG合成しているようです。バレエでは、全般的にバストアップの構図を多用することで、表情などの演技に観客の視線を集中させ、彼女の踊りの未熟さを上手くカバーしてしまっているところが、上手い撮り方だなと思えました。
ポートマンに埋もれてしまった格好ですが、ヴァンサン・カッセルもなかなかプレイボーイぽい舞台監督を好演していたと思います。
切実な痛さ
皆さん、こんにちは(いま5月19日10:50頃です)
皆さん、大絶賛されてますね。
だから、僕は違う切り口でこの映画を評価したいと思いました。
それは「痛さ」です。
たとえば、
①ささくれ立った指先の皮をむくことだったり
②なぜか、背中についた擦り傷だったり
③背中に刺さっていた棘だったり
④バレエダンサーの職業病のような足の爪が割れたり
⑤おなじく、足の指がくっついて離れなくなっちゃったり
と「痛さ」が満載です。
精神的に追い詰められるニナだけど、
肉体的なところからも、これでもか、これでもかと攻め立てくる。
実に痛いんです。ひとつひとつは耐えられないことはないけれど、
波状攻撃にようにやられると参ってしまう。
僕もその痛さに耐えられなくなって顔をしかめてしまったのです。
アロノフスキー監督は前作「レスラー」でも痛さを表現していた。
流血の場面やイスでぶん殴るシーンなんかはリアリティたっぷりでした。
それがある意味、虚構であっても。いや虚構であればあるほど、
リアルな感覚が必要なんですね。
その監督のサディズムの耐えたナタリー・ポートマンもまた見事。
ずいぶん、やせましたもんね。
そして、ブラックスワンになりきった。
アカデミー主演賞は当然でしょう。
白鳥から黒鳥へ、ジェットコースターのような映画でした。
評価A+
追い込まれる
狂気の満ちた執念
なりきるが為に…
これはバレエ映画であってバレエ映画ではない
ニナの深層心理を描いたスリラー。ニナを追い詰めるのは、大役を演じることへのプレッシャー、役を奪われることへの恐怖心、そして過保護の母に対する嫌悪と苛立ちだ。
仲間に役を奪われるのではないかという猜疑心は、とくに新鋭のリリーに向けられる。リリーには、自分にはない天性の才能があることを察しているからだ。ましてや、自分がプリマドンナに抜擢された陰で、ベテランのベスが半ば追放のような形で引退させられたばかりだ。
自分を恨んでいるに違いないベス。私生活を知れば知るほど妖艶な魅力が炸裂するリリー。両者の板挟みでニナの心はずたずたになっていく。
そもそも根本にあるのが本作の題名でもある〈ブラック・スワン〉だ。清楚な白鳥は踊れても、生真面目なニナに黒鳥は踊れない。黒鳥を踊るためには、ニナ自身の闇に潜む魔性を解き放たなければならない。
だが、そもそもニナにそれほどの魔性があるのか、ナタリー・ポートマンからは魔性の怪しい香りはかけらも漂ってこない。これも演出なのか、最後は一気にテンションを高めてみせる。ナタリー・ポートマンの迫真の演技と効果的なCG処理によって、我が身を傷つけてまで狂気の世界へと羽ばたくニナの姿が描かれる。
湖をすすむ優雅な白鳥。その漆黒の湖面の下で渦巻く心の葛藤。完璧を求めること自体が自信の無さの表れと気づかないひとりの女の性。
これはバレエ映画であってバレエ映画ではない。
ナタリー・ポートマンの魅力が炸裂
白鳥が孕んだ黒鳥
ラストのどんでん返しは、昔からよくあるパターンだ。
心理スリラーとしては、ほぼ完璧な映画だろう。
(敵役のミラ・クニスの踊りはバレリーナに見えないが・・)
生真面目な人間ほど、プレッシャーに弱く、壊れやすい。
少女漫画にも、この映画に似た心理劇は何度も描かれていて、
映画を見終わって、山岸凉子の「天人唐草」を思い出した。
人格が、少しづつ壊れていく様の凄まじさを
山岸凉子は手を変え品を変えて描き出している。
バレエのテクニックを楽しむ映画ではない事はわかっていたが
母と子の繋がりが「ターニング・ポイント」(邦題は「愛と喝采の日々」)
のシャーリー・マクレーンとレスリー・ブラウンを思わせる。
「ターニング・ポイント」はミハイル・バリシニコフの「海賊」を見る
だけで一見の価値があったなあと、また見たくなった。
清楚な白鳥のようなニナの中に、醜い欲望の権化である黒鳥はいつ
住みついてしまったのか
母親との確執が発端なのか、彼女の脆い心が強い自分への変身を
無意識に望んだのか
そのあたりを掘り下げてくれていたら、ニナの苦しさがずっと重く
心に残ったのだろうが・・
エロすぎてイッちゃう映画
すごーくエロい作品です。
“I FELT IT. PERFECT...I WAS PERFECT”と言うラストのナタリーの表情は“恍惚、エクスタシー”そのものです。
それと同時に観客もエクスタシー感じることのできるラストです。
映画で昇天するような体験をさせられるなんて、この監督は凄いと思います。
でも間違いなく監督はド変態だと思います。
本当に拍手したくなるようなラストです。
美と官能とトラウマと闇
どこからどう感想を伝えたら良いのでしょう。
主演のナタリー・ポートマン、清純さ漂う美の表現に始まり
大人のようなまだ幼さも残すような官能的なシーン。
そして母親との葛藤。
それらが織り混ざって、終盤の心の闇との、現実とも幻覚とも
つかない闘いへ。
この全ての表現が、主演のナタリー・ポートマン素晴らしかったです。
特に終盤の黒鳥の眼。
魔性、狂気入り混じる迫力ある眼。
これを観た時に、スクリーンに引き付けられ、時間が過ぎるのを
忘れるように魅入りました。
観る前に思っていた想像とのギャップは、良い方に見事裏切られました。
私の中の、今年一番の映画になりそうです。
美しき悪夢
バレエを題材にした映画と言うと、華麗な映画を思い浮かぶが、それを覆すようなダークで愛憎渦巻くスリリングなスリラーだった。
とにかく凄い衝撃作。
まるで「愛のむきだし」を見た時のような。
ナタリー・ポートマンの演技については、もはやあれこれ語る必要は無い。
言葉で語るのが表現出来ない程、圧巻。
母親の必要以上の愛情、監督のプレッシャー、ライバルからの嫉妬…それらを目の当たりにした無垢だった白鳥が、自らの心の闇によって解き放たれ、黒鳥へと変貌していく。
その終盤への盛り上げ方、叩みかける演出は凄まじく、名曲の素晴らしさと共に興奮さえしてしまった。
「告白」同様、並のホラー以上にホラー。
一番怖ろしいのは、人間の心の闇なのだ。「ミスト」もそうだった。
そこに華麗なバレエがコラボされ、怖ろしくも美しい映画が誕生した。
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