「彼女は演り遂げたのか」ブラック・スワン hkさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女は演り遂げたのか
トッププリマを夢見る女性が、主役に抜擢されるが、プレッシャーや焦りから精神のバランスを崩していく話。ナタリー・ポートマンが、白鳥の繊細さをよく表している。しかし、大胆不敵な黒鳥をうまく表現出来ない。自身の内なる黒鳥の解放を求められ、追い詰められていく。二面性を投影したようなリリーと親しくなり、更に妄想が加速する。
逆剥けを引き剥がしたり、爪切を失敗したり、見てるだけで痛くなるような描写が多い。首が白鳥のようにしなり、足に水かきが付き、鳥肌立った腕から羽が生え、くるくる回った最後は本当に黒鳥になるかと思った。
表現者の苦悩は伝わったが、プリマになるための厳しさなど、バレエ界をもっと描いて欲しかった。これではバレエではなく、劇団やオペラでも良かったような話だ。白鳥の湖のテーマ曲はやたら耳に残った。
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