「本当の自分とは何なのか?」ブラック・スワン shimashimayan1212さんの映画レビュー(感想・評価)
本当の自分とは何なのか?
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結論から言えば、ナタリー・ポートマンあってこその作品だと思います。
これほど、終始緊張感を感じる作品も久しぶりだったかもしれません。
クラシックバレエの『白鳥の湖』は、王子と恋に落ちる純真な白鳥と、それを奪おうとする黒鳥を同じダンサーが演じることが慣習になってるそうです。
この映画は、それをテーマとして”白鳥の女王”に抜擢されたダンサーを描いています。
しかし、本質的にはバレエ自体に主体を置いた作品ではないのでしょう。
つまり、女性の中に潜む白鳥と黒鳥の心が真のテーマとなっています。
元々バレエのシナリオにはそういう意図が含まれているのかもしれませんが。
弱々しく繊細で臆病な白鳥は、完璧な美しさを持った高貴な女性をイメージさせます。
それは、あらゆる抑制と、その中でもがき続けるからこその美しさとも言えます。
しかし、ふてぶてしく情熱的な黒鳥は、白鳥から王子を奪ってしまうのです。
感情を解き放ち、自信に満ちた姿は、人間を魅了し続ける欲望そのものかもしれません。
この映画では、”もし、白鳥が抑制を解き放って、黒鳥と王子を奪い合えばどうなっただろう?”という疑問をなげかけているような気がします。
結末は、観る人の感じ方次第だと思いますが、少なくとも一つの結論を出した、と言えます。
もし、この映画の女優が月並みな人なら、退屈な時間を過ごしたかもしれません。
音楽も、映像も良いのですが、それは部分的なことだと思います。
ちなみに、僕は正午ごろの上映で観てきましたが、何か食べながら気軽に観れるような作品ではないでしょうね。
特に、隣席の人が知らない女性だと結構気まずいと思います。実際そうでしたから(笑)
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