「かなり退屈な前半と、現実と幻想が混在する怒涛の後半。痩せすぎの主人公と魅了的なライバル」ブラック・スワン Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり退屈な前半と、現実と幻想が混在する怒涛の後半。痩せすぎの主人公と魅了的なライバル
ダーレン・アロノフスキー 監督による2010年製作(108分/R15+)のアメリカ映画。
原題:Black Swan、配給:20世紀フォックス映画、劇場公開日:2011年5月11日
恥ずかしながら、有名な「白鳥の湖」のヒロインが、清純な王女オデットと悪魔娘で王子を誘惑するオディールの二役を演じることや、最後ヒロインが湖に身を投げて終わることを本映画で初めて知った。この古典的物語をベースにしたミステリー構築は、なる程Goodアイデア(原案はアンドレス・ハインツ)とは思えた。
ただ最後の方は現実と幻想が混じった怒涛の展開で惹きつけられたが、前半の方は、構成状の必要性は理解できるものの、かなり退屈でもあった。アカデミー賞をゲットしたらしいが、痩せ痩せのナタリー・ポートマンの姿に、あまり魅力を感じなかったこともあるかも。ラストの舞台を際立たせるための演出だったかもしれないが、彼女のライバル役ミラ・クリスの方に、魅力を感じてしまった。彼女の出演映画は初めてだが、他の出演作も是非見てみたい。
自分にはバレエそのものの鑑賞眼は全く無いのだが、そういう人間から見ても、ナタリー・ポートマンの代役バレリーナの扱いも含めて、芸術としてのバレエへの敬意が映画全体から感じられないことは、かなり残念に思った。
キャスト
監督ダーレン・アロノフスキー、製作マイク・メダボイ、 アーノルド・W・メッサー 、ブライアン・オリバー 、スコット・フランクリン、原案アンドレス・ハインツ、脚本マーク・ヘイマン 、アンドレス・ハインツ 、ジョン・マクローリン、撮影マシュー・リバティーク、美術テレーズ・デプレス、音楽クリント・マンセル。
出演
ナタリー・ポートマンニナ・セイヤーズ、バンサン・カッセルトーマス・ルロイ、ミラ・クニスリリー、バーバラ・ハーシーエリカ・セイヤーズ、ウィノナ・ライダーベス・マッキンタイアー。