「恐れからの解放、心理カウンセリングがエンタメに」英国王のスピーチ N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
恐れからの解放、心理カウンセリングがエンタメに
過酷な試練を乗り越えてというけれど、生まれた時から己が人生の責任の重さや、その重要性をこっぴどくたたき込まれて、誰が前向きに受け入れ意欲に燃えられるか、という事だ。
やがて襲い来るその恐怖に日々、おののき、逃げたいからこそ逃げてはならず、そんな弱さを抱くからこそ見せることは決してならず。
もう想像を絶するプレッシャー。
アクセル全開でブレーキ全開の矛盾ののっぴきならぬ毎日。
しかしながらそれほどまでに責務の重さを知っている彼の人こそ、良き王になるはずの人物にほかならず、恐れと戦う健気さには涙なしでは見られない。
言語聴覚士との関係はおそらく、父親とのかかわりのやり直しだったのではなかろうか。そのあたりもしっかり描かれているように感じられ、浮つかず腰を据えてみることができ好感が持てた。
エンタメとしてもよし、カウンセリングをテーマにした映画としても十分、通用する作品と見る。
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