イヴ・サンローラン(2010)のレビュー・感想・評価
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クリエイティブな人が、なにを鑑賞して、なにを収集しているのか?
ギリシャ彫刻や東洋の仏像、オランダ人画家でMoMAに展示されるモンドリアンの絵画、
などなど、
部屋に美術品や絵画や彫刻がところ狭しと配置されている。
ところが、雑然と配置しているのに、なぜか調和がとれている。
クリエイティブな人でも、やはり人類の、というか西洋文明の基本である、
ギリシャローマ文化(グレコローマン)は、必須科目なんだなぁ〜と、なんとなく理解できた。
モロッコの別荘、インディゴブルーの外壁、庭のサボテン、
建築も庭園もある。
ありとあらゆる「美」に囲まれた生活を「意図的に」維持しようとしているのがわかる。
アスリートが、毎日の「食事」に気を使い、栄養管理もしてるのと同じようなニュアンス。
この映画にとても満足している。
なぜなら、ありがちな「ファッションだけ」に絞った映画、映像ではないから。
YSLの生涯?
んなこたぁ〜、さして興味ない。
そういうありきたりなドキュメンタリーでなくて、ホントに良かった。
パートナー
2010年 フランスドキュメンタリー映画
ナレーターは サンローランの公私に渡るパートナーだったピエール・ベルジェ
非常に賢く、実利的な彼はサンローランの醜聞を抑えながら 彼を伝説の人にする
三角関係だったヴィクトワール
二人の関係を危うくしそうだったジャック・ド・バシェールたちを彼から切り離す
ヴィクトワールはモデルとしてもお払い箱?
(2つのサンローラン伝記映画も参照)
さすがに私的関係の方は破綻をきたす
このドキュメンタリーは彼が全面協力し
オークション前の美術品の様子や 思い出の邸宅を垣間見せてくれる
そして美しい言葉で飾られた貴重な映像も
彼の手腕は各方面から評価されているが
支配下に置かれたようなサンローランはどう思っていただろう
女性の解放を訴えたデザインもしたのに、彼自身が籠の鳥になってしまったみたいで
ラガーフェルドが怒っていたが 理解できる
美術品や邸宅は所詮、彼への〈アメ〉や〈オモチャ〉に過ぎないことに サンローランは何処かで気付いたはずだ
伝記映画の方でも 絡まる蛇達の映像が使われていたが ベルジェも複雑な男で、過敏なデザイナーとの関係を一層複雑にした
(賢いだけに、才能ある男のヒモのようにも見られたくなかったはず… )
彼が上映を承認しなかった
オリヴィエ・メイロー監督のもう一つのドキュメンタリーを観てみたい
ファッションに与えた美しさ
イヴ・サンローランに影響を与えた人々や美術品、土地、風景など、ドキュメンタリーで振り返る作品。
彼の人格や半生を知るには、2014年公開のジャリル・レスベール監督『イヴ・サンローラン』がオススメですが、その作品を鑑賞後に違った視点でイヴ・サンローランを知りたい方には、ぜひ観ていただきたい作品です。
特にイヴ・サンローランのファッションが好きな方は、1人でじっくりその世界に浸って欲しいです。
どうして?
ピエールはなぜ、美術品を競売にかけようとしたのか?
思い出を売ることで何を得るのか?
イブ亡き後の美術品オークションにまつわる映像。
生前のインタビュー映像を織り交ぜて、当時をふりかえっています。
どこを切り取っても写真のような画の美しさ。
イブ・サンローランは映像にして残す価値があった人物だと
この映画を見て思いました。
ドキュメンタリーとしてはちょっと物足りない気がします。
もっと心の奥底にあるようなことをピエールから聞きたかった。
しかし、彼ももう赤裸々に何でもペラペラ話すような年ではないから仕方ないのかもしれない。
才能ある人は良きパートナーに恵まれないと成功しない。
良きパートナーと人生を歩めたイブは幸せだったのでしょう
暗部に、潜れ
本作が劇場映画デビュー作となるピエール・トレノン監督が、フランスの国民的デザイナー、イヴ・サンローランの苦悩と葛藤の生涯を描くドキュメンタリー作品。
「女性に、勇気と自由を与えてくれるものがファッションだと思う」。この確固たる信念の元に、革新的なデザインと気品あふれるエレガンスを打ち出したファッションを提示してみせた一人の天才、イヴ・サンローラン。本作は、その男が辿った茨の道と、男を支えた愛と友情の在り処を描き出す。
「イヴ」という、憎悪と策略、嫉妬が渦巻くショービズ界で戦うにはあまりに繊細な精神が直面する苦しさと、彼の中に満ちていた情熱と才気の賞賛に焦点が当たっている本作。
そのため、フランスが誇る「イヴ・サンローラン」というブランドの持つ個性、簡単な背景を理解してから観賞しないと、そのデザイナーが築いてきた奇抜さと魅力の特異さを本作から感じ取るのは若干、難しいかもしれない。
それでも、ファッションという不明瞭な軸を通して一つの時代を疾走した一人の男、二人の女が雄弁に語り尽くす孤高の天才の一部分。ここにはドキュメンタリーの枠を超えて、限りある人生の輝き、偶然の名の下に繋がっていく人間の絆の面白さを軽快に語る上品な味わいがある。
ファッションが芸術として存在を主張できた時代から、商売人が仕掛けるゲームの一部として機能していく時代へと変化していく悲しさと空しさ。遺品が高額で競りに落とされていく描写から滲み出す、「イヴ」という輝きが少し、また少し薄れていく諦めに胸が詰まる。
人の心の暗部に、深く、深く潜っていく印象が強い作品だ。
表裏一体。
シャネルの映画がそうだったように、今作もそうなんだと勝手に思い^^;
意気揚々と観に行ってしまったのだが…いや、予想とは違っていた。。
サンローランの生い立ち~晩年までが語られるわけではなかった。
確かにドキュメンタリー形式をとっているのだが、描かれるおおよそが
パートナー、P・ベルジェとの収集品である美術品の数々、そしてその
オークション風景…。特に彼に詳しいわけではないので、彼の素の部分、
トップ・デザイナーとしてではなく、一部の親しい人間にしか見せなかった
その素顔が垣間見れるのは興味深いが、私はせっかく語られるなら
その総て!!という単純豊富な情報量をドキュメンタリーに求めるため、
なんか間延びした印象を受けてしまい、途中で眠くなってしまった。。^^;
彼のデザインした服、彼らの収集した美術品、別荘の内部の様子、そして
彼との想い出…語られるすべてに意味があるし、素晴らしい美しさである。
あー見たことある!と思ったワンピースなど(懐かしい~)彼のデザインは
日本でも人気を博していた。なんと弱冠20歳でディオールの後継者…とは
かなりの才能だったんだと思う^^;天才は、一日にして為らず。素晴らしい。
しかしその反面、彼の表情や性格?から見てとれるように、随分繊細な人
だった印象を受ける。冒頭の引退会見?で、訥々と語る晩年の彼を見ると
(彼が喋っている映像ってコレだけかも)それまでの苦労が伝わってくる。。
確かに一時代を築いたヒトだ。
でも才能は…次から次へと新しい存在を生み、彼の人気も過去に変わる。
かなりの神経症に陥り、ドラッグに溺れた日々もあったようだが、そんな
彼を公私ともに支え続けたのが、語り部であるベルジェ氏。だからまぁ…
彼が語るサンローランがそのものの彼であり、彼の知られていない素顔を
訴え見せてくれていると思えば、やはり観る価値がある作品なのであろう。
しかし映画としては…好き好きが分かれそうな。
少なくとも、サンローランの人生そのものが総て描かれてはいないので…
そこだけ注意して観れば、目には楽しめる作品となるかもしれない。
(女性達も紹介して欲しかったですねぇ、ドヌーヴのインタビューとかもねぇ)
ひとりぼっちの美しき天才
内気で神経症的なサンローランの、
裏表の生活を描いた作品。
もちろん、ファッションもたくさん見られます☆
サンローランのことは
よく知らなかったのですが、
痛々しい生き方だなあ。。と、思いました。
インタビューと映像半々ぐらいで、
興味深い内容でした。
生き方が、すでにファッションですね。。(TOT)
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