「尊い」奇跡 Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
尊い
是枝監督が 九州新幹線で映画撮りません? というオファーを最初は渋りつつ作り上げだというこの映画
個人的には 大人は考えない事の方が多い というかおとなには色々見えすぎて考えるのが面倒になってくる なぜこの都合の悪い世界はこうも美しいのか という事を子供の視点を通して描かれた驚異的傑作だと思う
この 奇跡 というタイトルの通り、大筋としては子供たちがある奇跡の為に冒険をするロードムービーなんだけど、個人的にはこの映画の出来事の何を奇跡と捉えるかというところが凄くポイントだった
この映画でそれこそ奇跡のように一番美しく取られてるのは間違いなく新幹線がすれ違う瞬間に航一が見る 世界の姿の断片だったけど、この映画で奇跡として捉えられているのはあのシーンに象徴される 子供が 成長していく姿だった 変わる ではなく 成長 であるところが味噌だと思う
大人が子供の話をするとついつい無邪気さとか、ピュアさがクローズアップされがちだけど、この映画ではその純白さではなくて、そこに色が付くまさにその瞬間をこそ最も尊いものとして描いているのが本当に素晴らしい
こういうスタンドバイミー的な映画って沢山あるけどそのジャンルの中でもこの映画は飛び抜けた傑作だと思う
個人的には実写邦画の中では一番のお気に入り映画
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