「奇跡とは…」奇跡 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡とは…
九州新幹線全線開業の日、鹿児島と福岡の新幹線が擦れ違った時、“奇跡”が起こる。
両親の離婚で鹿児島と福岡に離れて暮らす航一と龍之介の兄弟は、家族が再び一緒に暮らす事を願う為、小さな大冒険に出かける。
子供のお笑いコンビ“まえだまえだ”を主演に迎えて描く、「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の是枝裕和監督作。
まえだまえだの2人が実に見事。
その2人や他の子役たちから自然な演技を引き出し、何気ない日常の風景や細やかな描写の積み重ねをすくい上げる手腕は、さすが是枝演出。
周りを固める豪華俳優陣の顔触れも見所。
奇跡。
改めて調べてみると、人間の力や自然現象を超えた出来事、通常では起きないような事が起こる事、と説明してある。
誰だって一度は奇跡を願った事はあるだろう。(もしなかったらどんな幸せ者だ?)
アニメの世界では、龍の玉を七つ揃えればどんな奇跡も叶えられたり、「それは君にとって魂を差し出すに足るものかい?」なんて深刻めいたり(笑)
この映画の中でも、子供たちは色んな奇跡を願う。
ラストで子供たちの願いがそれこそ奇跡のように叶った訳ではない。
しかし、子供たちの小さな大冒険の中に、確かに奇跡はあった。
日常の中のごくありふれた奇跡こそ、本当の尊い奇跡なのかもしれない。
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