SOMEWHEREのレビュー・感想・評価
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つまんねえ話なのに不思議な吸引力。
以下twitter(@skydog_gang)への投稿に加筆―― 生まれたときから一度も生活の心配をする必要がなく、余った時間で余計なことばっかり考えてた人が作ったような話。 富裕層の抱える温室の中の孤独や虚無感が延々とナルシシズム全開で語られるので、それに共感できるかどうかが鍵。 エル・ファニングは可愛い。
息を押し殺しながら、崩れないように
2010年アメリカ映画。98分。2011年13本目の作品。ソフィア・コッポラ監督の最新作で昨年のベネチア映画祭の最高賞を取った作品。 内容は: 1,ハリウッドスターの男は妻子と別居中。 2,そんな彼はホテル住まいで放蕩三昧。 3,ある日、そんな生活に娘が期間限定であずけられる。 この作品の魅力はずばりアンニュイ。予告編の印象からてっきり親子のメロドラマかと懸念してたが、ふたをあけてみれば要はうだつのあがらない男に視点の中心があてられ、娘との交流はエンディングに向けての要素という感じで扱われているのが印象的。 魂の救済といったら言い過ぎかもしれないけど、本作は茫洋とした生活に区切りをつけて再出発するまでの物語。そんな茫洋さを描かせたらこの監督さんは本当にうまいです。ひとつひとつの描写が気だるく、無意味そうに見えるけど、それが瀬戸際でなんとかつながってストーリーラインになっている。けっこうスリリングなアンニュイさ。 まさしく匠の技です。 やっぱり、この監督さん好きです。
私、大人になりました?
「マリー・アントワネット」などの作品で知られるソフィア・コッポラ監督が、スティーブン・ドーフ、エル・ファニングを主演に迎えて描く、人間ドラマ。 「貴方の、寂しいと思う瞬間は?」こう聞かれた時、私は瞬時に答える。「見知らぬ街で泊まったビジネスホテルで、シャワーの音が聞こえた時」無機質の極みともいえるビジネスホテル。そこで、誰かも分からない人間が爽快を求めて温水を撒き散らす。何やら自分がそこにいる事が馬鹿馬鹿しく、空しく思えてしまう。 頭の良い作り手がいじくり回して作った映画という印象が強い作品である。観客もいないサーキット場で一台、爆走する車。言葉の分からない国の、さっぱり分からないテレビ番組。部屋で空しく踊る、揃っていない踊り子。そして、先程述べたような空間。 あらゆる場面に、「孤独」や「空しさ」を象徴する要素を意識的に配置した懇切丁寧な物語。個々の作り手の思い出や、記憶を緩やかに繋ぎ合わせたような断絶感が漂う。 それでも観客を爽快な幸福感へと誘っていく不思議な魅力を持つのは、これまでにソフィア・コッポラという人間が作って作品に対して受けてきた批判をきちんと理解し、反映させてきた証だろう。「映像だけだろう」「何やら、分かりづらい」常にソフィア監督作品に付きまとってきた偏見。 今回は曖昧な人間の繋がりへの渇望に留まらず、終盤に描かれるヘリコプターと、古ぼけたタクシーの明確な対比などを通して「父と子の結びつき」への視点、未来への期待、自身の経験への反映など、多様な価値観を織り交ぜて描いている。 「これなら、どうかしら」比較的多作な作り手が、作を重ねる毎に観客へと挑戦するような意欲が作品を刺激し、進化を実感させてくれる。 映画人として成長著しい監督の、発展途上作品として位置づけるべき作品。この先、どのようなテーマで観客の予測を裏切ってくるか。「これなら、どうでしょうね?」この意欲が尽きない限り、彼女の映画界への戦いは終わらないだろう。 追いかけていく価値は、ある。
スリムクラブの漫才みたいな映画
監督のソフィア・コッポラは、『CQ』『ロストイントランスレーション』『マリーアントワネット』etc.作品全般において特徴的なのだが、無意味な場面が無意味に長いねぇ。
特に今作は一段と長く感じ、生理的に合わないなぁ〜と、この監督が苦手である事を改めて認識してしまった。
新作映画用のメイク合わせとか、オネエチャン達のポールダンスとか、父娘とのギターゲームetc.etc.全てに渡り、あそこまで長回しする必要性はあったのだろうか?
意外とお色気シーンが多く、男にとっちゃあ、喜ぶべきサービスなハズやのに、それすらも無意味で味気ない印象の方が強い。
ノラリクラリした間を凝縮したら今作の賞味は30分も満たないでしょうね。
引っ張って、引っ張って、引っ張りまくるのを芸としているのは、漫才で例えたらスリムクラブに通ずるテンポと云えよう。
私みたいなセッカチな人間には、あの世界観の中から面白さを見出せってぇのは、酷である。
(実際、M−1では笑い飯を応援してたし…)
漫才はオチが有るからまだ許せるけど、この映画にはロクなオチが有りゃしないから性分が悪い。
最後にいざ可愛い娘さんとお別れとなって、
「やっぱり俺たちやり直せないか?!」とカミさんにコボすのが唯一のオチぐらいだろう。
(っていうか、大オチやけどね)
緊張感の稀薄さゆえに、主人公に肝心な名優のカリスマ性すら微塵も感じなかったから、褒めようがない。
それでも席を立たずに最後まで観られたのは、ソフィア・コッポラ自身が、映画界の巨匠の娘であり、育ち盛りの子供の母親だったからであろう。
本拠地のホテルや映画の宣伝のため出掛けたイタリア(フランスやったっけかな?)etc.父親らしい事は一貫して行わず、むしろ友達みたいな付き合いなのに、父娘間に妙なリアリティが存在していたのは、監督が培ってきた家族愛が反映されたと思う。
でも、ホテル住まいの映画人の話なら、日本人小バカにしたテイストが嫌やったけど、『ロストイントランスレーション』の方が面白かったかな。
このブログ自体オチらしいオチがないまま、最後に短歌を一首
『ゆっくりと 空虚に沈む 宿主の ギブスを撫でる 暫しの天使』
by全竜
スクラップノートのよう
みんなのサインの書かれたギブス 別の部屋からこぼれる撮影のフラッシュの光 水中でにらめっこ ステキな映像を集めたような映画でした。 内容は、何となく でした。 主人公の日常がそのまま映画の雰囲気をつくってたなぁ わたしは最後のシーンがとてもどきどきしました ワーっ と押し寄せて来た
まんまと、はまった
最初のうちの退屈で退屈で 怒り出したい気分になったけど、 クレオがでてきてからは 一瞬一瞬がキラキラして 愛おしい気持ちになった。 ジョニーに感情を移入するというより、 ジョニーの感情に共振した。 相対性理論の説明をこの1本で体感した。 *** クレオの作った エッグベネディクトがそれはそれはおいしそうで。 頭から離れません。
セレブの子供の世界観。
巨匠の娘にして、自ら映画監督というS・コッポラの第三弾。
撮る度に各映画賞を総なめしたとか言われるんだけど…ハテ、そうか?
彼女の撮る作品は女の子ならいざ知らず、男が観て楽しめるのかどうか。
例えば今回のストリッパー二人組。部屋でPダンスを繰り広げているが、
あれで男性がそそられたら大したもんだ~なんて下らないことを考えた。
浮遊感あり、透明感あり、女性キャスト選びにも定評のある彼女だが、
今回もまた主人公の娘役でダコタの妹、エル・ファニングを起用している。
この子が作品全体の空気をかっさらっている節もあるので^^;乞うご期待。
おねいちゃんより美人でスタイル抜群、かなりいい感じ♪
おそらく好き好きが分かれる作品なので、もう好みの問題。
ただ、もともと空虚であるうつろな心、
を主題にしているあたりから、面白い映画であるはずはない^^;
冒頭から延々と長回しでフェラーリのぐるぐる周回を見せるような作り、
もうここから今作のラストが見えてくるような感じでもある。
映画スターってのは皆こんな感じか?(まぁそうなんでしょうね^^;)
表舞台の人気や煌びやかさからは縁遠い、けっこう孤独で友人も少なく、
仕事とホテルの往復、みたいな、そんな暮らしをしているスターも多そう。
縁あって結婚できたり(爆)、子供ができたり養子を迎えたり(爆)、
あぁちょっと、生活にハリが出てきたかな?という辺りでメキメキ輝きだす
俳優もいれば、結婚→離婚→裁判沙汰を繰り返す地獄の生活俳優もいる^^;
パーティー三昧、ドラッグ三昧で身を崩すおバカもいれば、
自虐ネタで再起を謀る計算野郎までいる。案外これがウケちゃったりして。
私が思うに、ああいう仕事をしている人は経験値が演技に反映する(汗)と
いう気がするので、あまり一般的な生活に馴染まない方がいいのでは?と
大きなお世話をいってみたりして。。でもまぁ、仕事は別。ですよねぇ。
今作の父親、S・ドーフも前妻の娘が訪ねてくるまでは全く虚ろな日々、
一緒に生活し始めてから(なんとなく)楽しい気分にはなってくるのだが、
如何せん自分はまた仕事に戻らなければならない。離れ離れに暮らす娘が
父親に愚痴のひとつでもこぼせばいいのに^^;この子は健気に何も言わない。
おそらくこの子の中で父親とは、こんな存在だったんだろうと感じた。
(監督の実体験要素アリ?)
母親もなんだか身勝手な感じで、どっか行っちゃうし、セレブの子供って
いっつも置いてけぼり(なんでしょうかね)なのかい?という虚しさが残る。
一緒にいられる時間の方がエラく少ないんだろうから…なぁ。
とはいえ、今作を観ても分かるように、何しろあらゆる面で趣味が良い。
これがセレブの品格ってやつでしょう?というのが、作品のあちこちに
観てとれて、監督の質感を物語っているよう。ただ、好き好きでいうと、
品さえ良ければいい映画、ってワケでもないので^^;まぁ、そのあたりは…。
(お父さん巨匠、とても優しいんだそうです。そりゃこの映画観れば分かる)
うどんパスタに涙
最近ちょっと暗めの映画続きだったから、
映像が派手でワクワクするような作品を観たい気もしたんだけど、
夕暮れが気持ちイイ時間帯だったので、しっとりホッコリな感じのこっちを選んでみた。
ハリウッドで活躍する人気俳優のジョニーが、
な〜んにも不自由ない派手な暮らしの中、お怪我しちゃってお仕事も休業。
昼間っからお酒飲んだり、出張ポールダンサーを自室に呼んでボーっとそれを眺めてたり、
…それがまた、見てて退屈なんだよね。
煙草の灰が落ちる音まで聞こえるような静けさとか、
固定カメラの映像からたびたび中途半端にフレームアウトしつつ、クルクル踊りながらやたら視線を送ってくるセクシーなお姉さん達…
『で?この長回し、ナニが言いたいワケ?!』
と、ちょっとイラッとした時に気付いた。
これこそが、ジョニーの虚無感を表していたんだね〜。
そんな時、離婚した妻が長期留守にするとのコトで、
その間11歳の娘クレオがジョニーと一緒に暮らすことになった。
二人でゲームで遊んだり、プールではしゃいだり、疲れたら寄り添って眠ったり。
何気ない日常の風景が、クレオの登場によってたちまち彩りを持ったモノになるんだ。
クレオってば、
自立心のあるシッカリちゃんだけど、無邪気で透明感があってホントに天使みたいに可愛いいの。
それは観ているこちらにも心地好いし=ジョニーの心の潤いでもあるんだよね。
ホテル暮らしでルームサービスばかり食べていたジョニーにとって、クレオが一生懸命作ってくれた朝食を部屋で食べられる事とか、
自分の授賞式に、ドレスアップして出席するちっちゃいレディの姿とか、
『ジョニー!コレって凄くスゴく嬉しい事だよね!たまんないよね〜!』なんて、感情移入しちゃったわよ〜。
だから、クレオが別れ際に
『ママはいつ帰ってくるか解らないし…パパは忙しくてずっと一緒にはいられない』
と泣き出した時、
クレオの気持ちもそうだけど、
『こんなに愛しい娘にこんな寂しい思いをさせてしまっていた』
と、衝撃に胸を痛めるジョニーを見て、とても苦しくなった。
クレオの真似をして作ってみたけどグタグタで美味しくもないパスタを、一人きりの部屋で食べるジョニーの姿に泣けた。
『オレは空っぽの男だ』と泣きじゃくった後、今の暮らしを捨てたジョニーは一体どこへ行ったんでしょか?
きっと、戸惑いや悔しい思いにぶつかるコトだってあるよね。
けどその向こうには、あったかい未来が待っているさ〜!
GOOD LUCK なのだ!
うーん
好きです。こういう映画。
でも自分の教養不足というか漠然と理解できなかったところもあるのですが。。。
売れっ子俳優の設定なんですね。自分はもう落ちぶれた俳優の設定かと勘違いしてました。とか
嫌みメールの送信主は?とか
最後のシーンの意味はとか?
でも、全体的な淡々とした雰囲気。とっても好きです。
自分はこういう映画、眠くなりません。
とにかく、娘さんがいいです。
素直にこんな娘がほしいと思ってしまいました。
家族って素敵です。
良いのだけど、少し退屈。見る人を選ぶ作品。
「SOME WHERE」、映画館の予告編を見て、「わ~、良さそう!何だか温かくなりそうな映画ね~」と思い、見に行った。 まず、冒頭のフェラーリで何もない道を、高速で5回も周回するシーン。 そこで、ソフィア・コッポラ監督だったことを思いだした。 前に見た作品は、「ロスト・イン・トランスレーション」 この作品は、私にとっては退屈で、DVD鑑賞だったこともあり、寝てしまったのよね。 そこで、今回は劇場鑑賞なのだから、寝ないようにがんばろうと思った。 主人公のジョニー・マルコが、ハリウッドの超売れっ子俳優だとわかるまで、かなりの時間がかかった。 これは、重要なポイントだ。 オフの間の出来事なので、昼間からビールを飲んで、車を走らせて、だらだら遊んでいる。 空虚感を出しているのだろうけれど、ただ、ヒマにしか見えなかったのは、主役のせいかも?! そんなだから、娘のクレオから「パパは忙しいから・・・」と言われても、実感ないし。 でも、クレオ役のエル・ファニングは、とっても可愛くて、無言でパパを責めるあの目つきはすごく良かった。 今後が楽しみな女優さんです。 スケートのシーン、朝食を作るシーン、Wiiで遊ぶシーン、ドレスアップした姿、プールで泳ぐシーン、どれも良かった。 見終わって、しばらくすると、なんとなくほのぼのとなる。 そんな作品でした。 イタリアの、プール付き超豪華スイートルームは、驚きと共に目の保養になりました。 エレベーター内で、有名人に遭遇しました。
日常の成長!
ただの”日常”を描いた作品。
父と娘との交流を描いてるけど、感動したい人にはおすすめできない。
実は最初退屈だった(笑)
音楽はなく、生活音だけ。
ジョニーは人あたりは良いけど、ただ流されてるだけ。
でも娘のクレオといるときは違う。
クレオのアイススケートを夢中で見たり、真剣にギターゲームで対戦したり!
で、1人になると空っぽだって気付くの。
「俺は空っぽの男だ」って泣きながら電話するとき、切なかった。
それまでは、泣けもしなかったんだもん。
ただソファーでタバコふかして誤魔化してるだけで。
孤独感や空虚感を感じたことがある人なら、共感できると思う。
最初はフェラーリでくるくる回ってたのが、最後は乗り捨てででも一本道を進む。
現状は何も変化してないけど、気持ちがちょっと良い方向に変わる。
そんなお話 大好き!
退屈な映像だなぁと思いつつ、なんだかしみじみ心にしみるものを感じてしまう。そして見事に監督の術中に落ちているのです。
父と娘の関係を綴ったドラマです。 個性的なキャラクターやドラマチックな筋立てに頼ることがなく、さりげないエピソードを重ねて、父娘の心模様を描いて行く手法は、見る人によって評価が極端に別れるのではないかと思います。 特に登場人物を、じっと観察するかのような長回しのカメラワークは、冗長にも感じられて、辛く感じるときもありました。しかし、不思議と眠気も起きません。 冗長のなかにも、父と娘が久々に過ごした時間を、見るものがそっと共有しているかのような実感を感じさせてくれるからです。とっても退屈な映像のなかに、でもなんでこんなシーンを長々と描くのか、その気持ちは痛いほどに伝わってくるという不思議な感覚に包まれました。「孤独」とはかない「幸福」の狭間で揺れる主人公の姿が、切なかったです。 ファザーコンプレックスを抱いたまま大人になってしまった人や、娘とどう向き合っていいか分からないという世のお父さんには、クグッと心を鷲づかみされるような作品となることでしょう。 また、主人公がハリウッドの大物映画スターという設定になっていて、セレブな暮らしぶりを当たり前の日常のように描かれているのも興味深いところです。一般の大衆にとっては縁遠い高級ホテルでのプライベートをのぞき見しているような錯覚に陥りました。 それもそのはずで、ソフィア監督自身が、巨匠コッポラ監督の娘として生まれて、少女時代に切実にしてきたことがそのまま映像になったような作品。そして2児の母になった今、家族に抱いている思いが、本作に投影されていることは想像に難くないことでしょう。 さて、冒頭映し出されるのはハリウッドの映画スターであるジョニー・マルコが、黒いフェラーリを駆って、同じ道をくどいほどに周回するシーン。 実は、このシーン何となくマルコの日常の投影ではないかと思えました。一見、高級車で、ターボ音を掻き立てながらスピードを上げ、スリルを味わっていても、傍目には周回しているだけとしか見えません。つまりは堂々巡り。なんの生産性もない点で、シャトー・モーマントで怠惰な生活を送っているところを色濃く暗示させるオープニングではなかったかと感じました。ちなみにこのホテル、実際に有名人御用達として、ハリウッドに実在します。 左手を負傷した、ジョニーは俳優業も休んで、夜ごとパーティーで酔いつぶれ、女と馬鹿騒ぎ。一見華やかに見えるけれど、その表情にはありありと倦怠が浮かんでいました。 そんなとき、離婚した妻と暮らしている11歳の娘クレオを数日預かることになったのです。その日常は激変していくのでした。娘がやってきても、女好きの日常を覗わせるように、複数の女性からの誘惑がジョニーの元に押しかけます。しかし、それを振り切ってまで、ジョニーはクレオとの時間を大切に過ごそうとするのでした。 娘との久々の時間。テレビゲームに昂じたり、小説の話で盛り上がったり、疲れたら、肩を寄せ合ってうたた寝をしたり。そして朝は、娘の手作りの朝食で起こされる生活。それはごく普通の家庭の父娘が過ごすのと代わり映えのないものでした。 けれども、ずっと暮らしたいと突然泣き出す娘に、ジョニーは「ゴメン」としか言えなかったのです。そんな自分に、普段の生活の空虚さを痛感し、かけがえのない何かに気がつくのです。 映画のなかに閉じ込められたふたりの親密な時間。それが父と娘のこれからに何をもたらすのか、あからさまに描かれてはいません。 淡々とした描写で、退屈な映像だなぁと思いつつ、見終わったとき、なんだかしみじみ心にしみるものを感じてしまうのです。気がつくと、見事に監督の術中に落ちている自分に驚いてしまいます。 思い返せば、時間の緩急の付け方や映像の明暗の手繰り方は巧みだったのかもしれません。娘がやってくる前の冒頭のシーンで、双子の出張ダンサーがポールダンスをジョニー独りに見せるところでは、うんざりするほど単調で長いのです。 でもこれを演出が下手と決めつける前に、意図的だとしたらどうでしょう。この冗長さは、怠惰に暮らすジョニーの虚ろな疲れを表しているのではないかともとれるのではないでしょうか。恐らく監督は、ジョニーの感覚を観客にも共有させようとして、こんな意味もなく長いシーンを挿入したのではないだろうかと推論したとき、作品の印象がガラリと変わってしまいました。 果たして、ホテルをチェックアウトしたジョニーが、フェラーリーを荒野に乗り捨てて「何処(SOMEWHERE)」へ向かって歩き始めたのでしょうか。台詞はなかったものの、ドラマチックなラストでした。 クレオ役のエル・ファニングが、監督の狙い通りのキャスト。本当に可憐で妖精のようです。姉のダコダがおませな可愛さを感じたものです。エルはとてもナイーブで、誰もが守ってあげたいという美少女なんです。彼女なら、ジョニーが女を遠ざけても、娘にメロメロになってしまう気持ちがよく分かりました。
36度5分
こういう映画見たかったです 大切な人との当たり前の日常を幸せと思うことに愛しさを感じました クレオといる時間がすごく輝いて見えてそれは一瞬のようでした ジョニーが一人でいる時間はあんなに長く感じるのに でもだからこそ両方の時間が必要だと思いました そしてこの先思い返して後悔しないように当たり前の日常を大切にしていかなければと ソフィア・コッポラ監督の映し方がとても良く心地いいです ロケ地が良く、映像がとても綺麗です 音楽は100点です クレオの心情もよくわかりますが目線はジョニーです 2人の映像に引き込まれました
朝食も作れたもんね~♪
俳優のお父さんと娘さんの、ひとときの日常の物語です。 お母さんは出てきません。 際立ったことは何も起こらないけれど、 ファニングちゃんがとても可愛いし、 ソフィア・コッポラ色が随所にちりばめられています。 最終的には、「もう恋なんてしない」(まっきー)的に 話が流れていきます。 ソフィア・コッポラは、見るのに慣れがいる監督かなあ☆ とは思うのだけれど、 「ロスト・イン・トランスレーション」がお好きな方なら、 この作品もきっとじわじわくると思います ^-^
う~ん 退屈
ごめんなさい。監督、俳優のファンの人じゃないと楽しめないかも。
最初から最後まで何にも起きません。デリバリーのポールダンスシーンや、娘のスケートの練習を長々と見せられてただただ退屈でした。
父と娘の心の機微を描きたかったにしても内容が無さすぎです。
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