SOMEWHEREのレビュー・感想・評価
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映画らしい映画
冒頭から状況が飲み込み辛い映像ばかりだが、そこが映画らしい映画。後から「あれはこーゆー意味か」と反芻する楽しさがある。なのでストーリーよりもカットや演出に醍醐味を感じる。
笑わせてないのに笑わせる演出(2度も出てくるポールダンサー、突然脱ぎだすマッサージ師)とか、意味無さげなカット(石膏で頭固める所)とか、最初から乗ってるフェラーリの意味とか、いちいち気になる演出が散りばめられている。
ストーリーはどちらかといえば淡々としていて、さほど事故も事件も起こらないのだが、父と娘と時々おかん的な感じで、娘がいる男には中々ズシンと来る作品。
娘との時間を大事にしたいけど、目の前にイイ女がいたら仕方ないやん!、でもやっぱ娘大事!、あれ?俺何してるの?何が大事なの?
主役が映画スターだという事から、その現実と理想の差は凡人には分かるまい。凡人な自分には羨ましいとしか思えない。フェラーリ欲しい(笑)
空虚な男の笑顔の先に…
ロストイントラスレーションに続き、ソフィア・コッポラ監督の作品では本作が2作目。 ストーリーはお金には困らないが、どこか空虚な生活を送っている俳優の物語。 ロストイントランスレーションでも感じたソフィア・コッポラ監督独特のピュアできれいな演出と描写には驚かされる。特にカメラワークは個人的にとても好み。 ストーリーは我々よりも映画業界の方にウケは良さそう。でも演出に見せられるアーティスティックな作品だった。
持てる人間の共感できない悩み
毎日を虚無感とともに過ごしてきた人間が、
娘との生活で輝きを取り戻していくという内容。
だが、それをこの映画は生理的手段を使って表現する。
前半、ツマラナイ描写を惜しげもなく挿入して視聴者をリアルで退屈にし、
後半は可憐なエルファニングを投入して、前半との落差を利用して充実感を味わわせる。
その方法はダメだろう。
食べ物を美味しく感じさせるために、味を追求せず、空腹を強要するようなものである。
内容にも全く共感できない。
40歳近くなって今更自分が何者でもないと気付く父。
その年でようやくか、と。今までよっぽど苦労知らずだったんだろう。
しかもそんななのに、金も地位も愛する娘もいて、
その今更な悩みで何かを失うわけでもなし。
好きにしてくださいという感じである。
娘の気持ちはそこそこわかるが、そこまでのものだろうか。
優しい父はいて、時間がないなりにしっかりかまってくれる。
両親揃って十分な愛情を注いでくれる家庭なんて世間にもそれほどない。
という具合に、どこをとっても甘ったれな内容だと感じた。
一方で、背景や調度品、エルファニングという配役など、
とにかく画にセンスの良さを感じる映画なので、
映像映画としてフワっと観るのであれば、素敵な作品なのかもしれない。
とても素直な映画。終わり方が絶妙で良い!
最近、ソフィアコッポラにハマっています。エルファニングが出ているので観てみたらとても良かったです!スティーヴンドーフもダメダメな父親を好演していて良かったです。ソフィアコッポラは、人間の変化を描くのが上手いなと思いました。エルファニングの自然な演技は誰にも真似できないと思います。この映画は、観ていて心地いいし、あぁ、親子っていいなと思いました。二人でアイスを食べながら『フレンズ』を夜中に見るシーンは、アメリカの親子ってこんな感じだなーと思うし、心がポカポカしてきました。ひとつひとつのシーンが少し長めに撮られていて、ゆっくり楽しめたのも良かったです!父親が久しぶりに娘に会って、初めて自分がカラッポなことに気づかされるというストーリーが良かったです。ソフィアコッポラの作品の中では群を抜いて好きだし、本当に良い映画なのでたくさんの人に見て欲しい映画のひとつです。オススメ!
感動の一言
主人公のジョニーはずっと空虚な生活を送っていた。それを認めたくなくていろんなことをやった。それでも空虚感は余計に増えた。そしてつまらなかった。それが前半。でも、クレオと時を過ごすようになって、空虚感が晴れていった。それは、女性の誘いをすべて断ったことや、クレオとの真剣勝負で確認できる。輝き始めた彼の日々を。そして片時もクレオを気にしないことがなかった。だからこそ、別れが辛かった。そしてようやく空虚感に別れを告げようと、空虚感と闘おうと。決意の涙は、ルームサービスをやめさせ、自らでクレオの真似をした料理を作らせた。最後の一本道を歩くシーンは、冒頭の永遠に回る車と対照的で、終わらない空虚感を完全に打ち消したことを示している。彼は勝ち取ったのだ。輝かしき日々を。
と、語ったものの、現実問題あまりマシにはなっていないでしょう。きっとこれからも空虚感は続きます。それでもクレオとの日々は彼を支えてくれるでしょう。
エル・ファニングはホントに可愛かった。これが目的で見ましたが、普通に感動しました^
日常の中の輝き
全体的に、映画スターの自堕落な日常を写実的に淡々と描く場面が多く、ストーリー的には「つまらない」作品に感じられました。 しかし、この作品の魅力はそこではありません! 主人公の映画スターの殺伐とした日常に、離れて暮らす娘が現れます。久しぶりに一緒に過ごす父と娘。観客は自然に物語前半でつまらなく描かれていた自堕落な日常と比べてしまいます。すると、父と娘が過ごす一瞬一瞬の時間が非常に愛おしく思えます。 その何ともない、しかし愛おしい時間を過ごし、主人公が変わっていくという作品です。 本当の生活の中から切り取ったような自然な空気感が素晴らしく、大好きな作品となりました。 主人公役のスティーブン・ドーフ、娘役のエル・ファニングの二人の醸し出すキラキラした日常感が本当に素晴らしく、プールの中でのワンカットは、涙が出るほど美しかったです。 セリフが飛び交う作品が多い中、少ないセリフや役者の表情、その場の空気に魅力がある、稀有な作品だと思います。 是非一度ご覧になってください。
切ない…庶民にはなお切ない。
Movie STAR のちょっと自堕落な部分だけ寄せ集めたようなシーンが続くが自然と引き込まれる。 エル・ファニングが天使のよう。 父の孤独とか、娘との触れ合いが家族愛を蘇らせるところはすごく共感できる。 でもそれはセレブの専売特許なんかじゃない。世の父親はみんな同じような感情を抱いてる。 ただ、湯水のように金を使う遊びを用意してあげることはできない。 だから余計に切なくなる。
素敵ですね
エルファニングは個人的に好きな女優だったので、良かったです。
派手な生活を送り、お金にも困らない生活をしているジョニー。しかし、1日は何もないつまらない1日。カット割りが少ないなと思う映画でした。
ジョニーの虚無感を表している長回しでの映像が、みていて感じることができました。
車の中での会話での撮影で、クレオを手前にして、撮影するシーンがありましたが、また彼女も孤独で寂しげな表情をしているように思えます。彼女もまた、母親と父親から普通の愛を受けたかったのではないかなと思いました。
だからこそ、ジョニーとクレオの親子の時間が美しく見えてきました。
共感の出来ない家族
まず、良いところを挙げよう。スター独特の高級感あふれる生活が良い。普段僕たちが見ない生活だから新鮮なのだ。久々に出会った親子の空気感も絶妙だ。さすがはコッポラ監督、といったところか。そして主演のドーフよりもその娘役のエル・ファニングの演技が良い。日本のどこぞのガキみたいな過剰な演技じゃない。いかにも普通のアメリカの子供で時折、映画を見ていることを忘れるぐらいだった。 では問題点を挙げよう。一つ目はセレブの生活を描いていることそのものが弱点にもなっている。はっきり言うと共感しにくいのだ。高級ホテルで毎日暮らすスター俳優に共感できるのはセレブだけだ。だからベネチア国際映画祭では金獅子賞だったのだろうと思われる。二つ目は「普通の生活」を描いていること。僕は我慢できたが、隣にいる糞野郎は途中から飽きたのか携帯をいじってた。親子だから新しい出会いとかではないし、離婚問題がどうのこうのとかいう盛り上がりさえ見せない。芸術映画を気取っているのか何なのか知らないがこれは致命的だ。三つ目の問題点は主役の浅さ。主演のドーフはけっして悪い演技ではなく、堅実に「スター」を演じていた。だけど彼が演じるジョニーの設定が最悪なのだ。満ち足りたはずの生活に空虚さを感じているらしいが、ただ何も考えてないように見える。静かなる悲しみが全く描き切れてないのだ。 ジョニーは最後にこう言う。「俺は空っぽなんだ。」そんなこと分かってるよ。 (11年4月8日)
蜷川実花さんと‥アプローチが似てる~ヽ('ー`)ノ~
【ケータイからの‥絵文字投稿⇒不可につき‥ 再編集└|∵|┐♪┌|∵|┘】 「女性監督や女性脚本家は‥苦手だ(*_*)」 ‥と言うと‥ 性差別になるのだろうか? いや‥ 否定はしてないのよ‥苦手なだけなんよ~ヽ('ー`)ノ~ ●ロストイントランスレーション‥は訳分からなかった‥ ●バージンスーサイズと●マリーアントワネットは‥度胸無く見て無い(・ω・)ノ 嫌な先入観で見始める本作‥(-"-;) 固定カメラ/長回し(?)・意味無いカット割り(←俺には、意味が有ると思えない‥)/独特の『日差し感(?)』 ‥遅々として進まない物語‥ヽ('ー'#)/ ☆評は‥ DVD100円水準にて‥(^-^) DVD買う度⇒④★★★★ モ、1回見たい度⇒③☆☆☆ オススメ度⇒④♪♪♪♪ デートで見る度⇒⑤◎◎◎◎◎ 観る相方o(^o^)o】オシャレ感? 女子が好きそうな映画だ‥。 観た後の飲み物】ワインやらウィスキーやら‥♪ たまにこんな映画に当たる‥↓↓↓ 『監督や制作陣は何を伝えたかったンだろ?』 ダコタやCグレースモレッツや‥本作のエルをカワイイと思っちゃう俺は‥危ない認定をされちゃいがちだヽ('ー'#)/ 違う‥ そんなんぢゃ決して無いぞ~ヽ('ー`)ノ~
繊細で美しい"個人的な"作品
繊細で美しい"個人的"な作品。
ドーフやエルの演技だけでなく、作品全体から伝わってくる寂しさや虚無感がにじみ出ている。
もちろん2人の自然体な演技も素晴らしくまたソフィアの作り出す独特の空気感は圧巻だ。
彼女のアイデンティティーが大いに反映されたこれまでの作品に通じるテーマを根底に置きつつ新たな視点に挑戦している。
特にアクセントになっているのは、カメラワーク。
前半の特殊メイクのために1人乾くのを待っている場面でのカメラの寄りと後半クレオと2人で日光浴をしている場面のカメラの広がりはジョニーの心をそのまま写し出すようだ。
また、カメラを固定した映像が無くならない虚無感を表すと同時に静かな眼差しを送っている。
初めて男の"視点"でストーリーを進めながらも持ち味の美しさは全面に表れている。
ハリウッドを舞台にしながらハリウッド的でない作品に仕上がっていてまさに「現代の人の心」をある視点から写し出すニューシネマ的作品だ。
『エル・ファニング』ずっと注目してきている大好きな女優、この年齢で目で語れる俳優はなかなかいない。
クレオ、そばにいなくてごめん
映画「SOMEWHERE」(ソフィア・コッポラ監督)から。
監督は、この作品を通じて、何を伝えたかったのか、
1回観ただけでは、まったくわからなかった。(汗)
主人公(父親)の立場に立つと、ますますわからなくなる。
作品解説には「父フランシス・フォード・コッポラとの思い出や、
2児の母となった自らの経験を投影して製作」とある。
そう考えて、主人公を娘のクレオにしたら、少し理解できた。
超有名な父親を持つと、何をしても困らないほどお金もあるし、
普通の子どもたちが経験の出来ないことも体験出来る。
それはそれで、自分の中で昇華して受け入れているが、
やはり彼女(監督)は、父親と母親に、充分愛されたかったのだろう。
そんな思いが、父親役の映画スターのジョニー・マルコに、
この台詞を口にさせたのではないだろうか。
「クレオ、そばにいなくてごめん」
普通の映画では、気にも止めない台詞なのだが、
なぜか、今回は私のメモに、しっかり残されていた。
11歳の娘は、何も知らないようで、全て知っている気がしたから。
父親の女性関係も、母親の男性関係も・・
シーンとしては、彼女が多くの大人の対応に疲れてしまい、
部屋に戻り、父親に寄りかかって寝てしまう場面が印象的だった。
本当の主人公は、やっぱり娘のクレオ。そんな気がする映画である。
ここまでつまらない映画は、金返せと貴方は泣く?それとも笑う?
映画俳優といえども人間だ。人として悩みもあれば、苦悩もする。分からないではない。 しかし、この映画ファーストシーンから車を只走らせるシーンで始まるのだが、これが、同じ処を何周も回る。見ているこちらもイライラする。それが狙いで、その後も主人公ジョニーが住むホテルで、ストリッパーもどきの踊り子が彼の部屋で踊るシーンが延々と続く。ベッドの上で踊り子を眺めている彼はそんな光景に飽きて寝てしまうのだが、正直こんなシーンの映画を見せられている観客も寝入ってしまいたい!!そう思わせたならもう感情移入させる事に成功したとでも言うのだろうか?こちらは、映画代を払っているのだ。この映画は娘と父との心の交流を描いた作品と言うけれど、それにしては娘と父との会話も少ない、会話を本当は沢山交わしたい筈の二人が上手く楽しい会話を交わす事が出来ない悲しい心情をリアルに描いているのかも知れないが、離婚しているのか、只の別居をしているのか判別出来ないが、普段は会う事が少ない父と娘であるのなら、娘が会いに来た時くらいは、父が子供に対してもっと積極的にアプローチする努力をするべきではないか?それが出来ない悲しみと言うことか、全編うつろで、空虚、退廃的な生活感は漂うが、それを何とか打開しようと試みる姿勢のかけらも見られない映画にどうして、賛同しろと言えるのだろう!F・コッポラと言えばハリウッドの巨匠だし、その娘が、そこそこの映画を撮っていれば映画賞は、取る事が出来るのかも知れないが、観客にはそんな因果関係はどうでもいい。 映画や小説は、本来人間の内面を浮き彫りにして見せる事、それが芸術なのか?人間には、弱い人間もいるし、成功者ばかりではないし、現代では特に、仕事に於いて好成績を上げている人間を成功者と仮に言うならば、成功者と呼ばれる人間の数は極限られている。 そんな中で、金と名声を掴んで傍目には成功者と人々の憧れの的である映画スター親子の、淋しく、虚しい日常をリアル描き出している秀作と言うのには、余りに不親切である。このジョニーが自分の殻を何とか打破しようと、苦闘する様を描くでもなく、淡々と虚しさを募らせる生活ぶりを追うだけの映画である。これは極特異ケースで、観客と言う一般人の心に響いて伝わる要素が見当たらない。苦しみの無い人間はいない。その中で、こつこつと自分の人生に格闘し、生きて行く姿に他人は感動し涙し、称賛するのだ。この映画は、何の救いも無い。金を出した、貴重な観客の時間と言う人生の一部そのものを浪費させるこの作品は、どんな映画賞を受賞していても、私は良い作品とは思わない。 ソフィア・コッポラがいくら映画界のサラブレッドであっても、セレブであってもだ。 これは、莫大な予算で作られた、自主制作映画だ!いくら映像美に優れていても。 映画は大衆娯楽である。普通の一般人の気持ちにシンクロ出来ないそんな不親切な映画は、商業映画として存在価値はない。 映画を撮影したいなら、どうぞ勝手に撮って下さいな!でも自宅で楽しんで!と私は言いたい!!!
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