「繊細で美しい"個人的な"作品」SOMEWHERE keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細で美しい"個人的な"作品
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繊細で美しい"個人的"な作品。
ドーフやエルの演技だけでなく、作品全体から伝わってくる寂しさや虚無感がにじみ出ている。
もちろん2人の自然体な演技も素晴らしくまたソフィアの作り出す独特の空気感は圧巻だ。
彼女のアイデンティティーが大いに反映されたこれまでの作品に通じるテーマを根底に置きつつ新たな視点に挑戦している。
特にアクセントになっているのは、カメラワーク。
前半の特殊メイクのために1人乾くのを待っている場面でのカメラの寄りと後半クレオと2人で日光浴をしている場面のカメラの広がりはジョニーの心をそのまま写し出すようだ。
また、カメラを固定した映像が無くならない虚無感を表すと同時に静かな眼差しを送っている。
初めて男の"視点"でストーリーを進めながらも持ち味の美しさは全面に表れている。
ハリウッドを舞台にしながらハリウッド的でない作品に仕上がっていてまさに「現代の人の心」をある視点から写し出すニューシネマ的作品だ。
『エル・ファニング』ずっと注目してきている大好きな女優、この年齢で目で語れる俳優はなかなかいない。
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