「神と人の間で」エル・トポ ひなひこさんの映画レビュー(感想・評価)
神と人の間で
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偉大な才能と自信を持つ男は神の村の女を助けることにより神格性を得る。
男は子を捨て神になる道を選ぶ。しかし女の村は一神教の村のため、「神は一人だ。お前が神になるためには他の神を倒さねばならない」という。
男は神としてまだ未熟である。他の神々には遠く及ばない。男は神々を越えるのではなく卑怯な手段で殺す。
しかし、男は神々を殺すことで神々を越える機会を永遠に失う。世界に神は男しかいなくなるが、男はいまだ未熟な唯一神であり、そしてこれからも未熟なままであり続けるしかないことに絶望する。
男に愛想を尽かした女もすでにいない。
男は弱く貧しい奇形の洞窟に拾われる。男はそこで徐々に人としての感情を取り戻す。
男は奇形の恩人を洞窟から街に出してやろうと奮闘する。
しかし男の宿命は「与えるつもりで奪っている」だ。
男は善意から奇形を穴蔵から出したが、奇形は日の光の眩しさに死んでしまう。
男は街に復讐するが、その中で無敵の肉体という神格性を再び発露させてしまう。
だが、神になることにもはやなんの気概もない、というか神より人であろうとした男は、まだ自分が人であるうちに自殺をする。
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