劇場公開日 2011年1月15日

「わたしには、ただ、涙を流すことしかできなかった」その街のこども 劇場版 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0わたしには、ただ、涙を流すことしかできなかった

2011年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

すみません、
涙が止まらないんですけど.
パンフ、立ち読みで済ませたくなくて購入.
帰りの、地下鉄車内で読みながら涙が止まらなくて、
大変でした.だって、何人かの人に「大丈夫??」って
表情をして、顔を覗かれちゃいましたからね(苦笑)

〈 忘れよう忘れようとすると心が冷たくなる 〉

名古屋に住んでいた16年前のあの日。
こちらでも、長い時間、大きく揺れ。
この揺れ方はおかしい、と胸騒ぎがし、
父と2人で布団を抜け出しNHKにチャンネルを合わせました。

震源地がわかるまで、父と二人で、
「また長野県じゃないか。それとも東京か」とニュースを見ていると、、、

神戸。
そして小さい頃、博覧会や水族館に行った三宮近辺、
そのとき乗った、阪神や阪急が、、、街そのものが、、、
我が眼を疑うような光景に包まれている。

幼い頃の思い出が詰まった街が
ほんの一瞬で姿を変えてしまう。
あの光景は頭から消えません。
そして当時の映像を観るたびに涙があふれそうになります。

◇   ◇

今作、主演の、
森山未来さん、佐藤江梨子さん、
おふたりとも、実際に被災者です。

脚本を担当した、
『ジョゼと虎と魚たち』でブレークした
渡辺あやさんも、震災が発生したときは、
別の土地にいたそうですが、兵庫県の出身。

森山さん、佐藤さんの、
実体験の、話も参考にしながら、脚本を書かれたそうです。

ただ、作品は、
ノンフィクションと
フィクションのあわせ技
とでも言えばいいのでしょうか。

現場では
「スタート」「カット」の声はかけず撮影。

事実、神戸の街を2人が歩くシーンは、
ほぼ、手持ちのカメラで撮影され、歩く途中には、
地元の人が入り込んでくる場面もあり、どこまでが、
脚本で、どこまでがアドリブ(実体験)なのかわからない。
全部が、全部、本当のように見えてなりませんでした。

◇   ◇

あるおじさんが佐藤さんに手を振るシーン。
佐藤さんが東遊園地に向かい、森山さんが映るシーン。

この二つは号泣でした。
家でテレビを見ていたら、
絶対に嗚咽していたと思います。

衝撃を受け止めきれない
自分の中で整理しきれない
俺は全然幸せやなかった・・・

人の心に残した深い傷
あまりにも深くて重くて
でもどうしようもできなくて
ただ、ただ、、泣くことしかできませんでした・・・

☆彡     ☆彡

翌日の1月17日の月曜日。
午前5時46分、NHKラジオを
聞きながら、黙祷をささげました。

それくらいしか、わたしにはできないから。。。

septaka