CUTのレビュー・感想・評価
全4件を表示
痛々しい
監督の映画愛はすごく感じる。イランの監督が何故、日本を舞台に日本の役者で取ったのか?は少し謎。日本映画が好きだから?
秀二の映画愛もまたすごく感じる。自分で映画も制作するがお金がなく兄に借りていたが、兄もお金を借りていて、返済できず命を落とす。その借金返済のために殴られ家を始めるのだが。あれだけ殴られたら普通死んじゃってるよ。
映画愛溢れる秀二が公開されない映画を自分の住むビルの屋上で上映しているが、観にきたお客さん、主催者があんな痛々しい姿だと普通怪しまれるしヒクよねっ。
借金返済出来たら、今度は自分が借金?信じられない。3500万、それで映画を撮るんだろうが、また殴られて返済するのか。
せっかくの映画愛溢れる映画が、暴力が全体的に多すぎて、印象が良くない。ちょっともったいない。
いまいち
同じことの繰り返しをずっと描いてて大して面白くなかったかな。主人公があそこまで映画に執着してる理由もわからないし、殴られ屋をずっと続けられる理由もわからないしでいまいちよくわからないことだらけの映画だった。
狂気の具現化
まさに狂気。目的のため、己が過ちを贖罪するため、ここまで狂えるのか我々に問うた作品。
この作品はとにかく『映画』にもこだわっている。映画狂とも言える男の生き様を通して、世界には素晴らしい映画があることを伝えてくれている。
色んな映画をみたくなった。
「捲土重来」「道法自然」
映画「CUT」(アミール・ナデリ監督)から。
毎度のことながら、作品内に、掛軸などが飾られていると、
何かのメッセージだと察知して、メモしてしまう。
今回は「捲土重来」「道法自然」が気になって仕方なかった。
鑑賞後調べたら「捲土重来」とは、
「一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返して、ふたたび攻めてくること」
「捲土」は土煙をあげるほどの激しい勢い、ようすをいう。
転じて「捲土重来を期す」などといって、
一度失敗した者が猛烈な意気込みでふたたびやり直すことをいう。
「道法自然」とは、中国の思想家、老子の言葉で
「人法地、地法天、天法道、道法自然」の最後の句。
「人は地に、地は天に、天は道に、道は自然に法る(のっとる=手本)とす」
つまり人は地に従うもの、地は天に従うもの、天は道に従うもの、
そして道は自然に従うもの、という意味らしい。
人の歩むべきは自然の法則に従うべき、と解釈され、
私利私欲に流されること無く、何が正しいのかを見極めること、
素直に感じ、行動することの大切さを伝えている言葉のようだ。
なるほど、この2つの四字熟語で、作品が思い出せる。
殴られ続ける西島秀俊さん扮する秀二が、
「本物の映画」だと仮定すれば「捲土重来を期す」日は近いし、
その手段は「道法自然」しかないのかもしれないな。
全4件を表示