「リアルな羽の生え方。」Ricky リッキー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルな羽の生え方。
名画座にて。
F・オゾン監督作品はほとんどここで観ていることが多い^^;
だってほぼ毎作かけてくれるから(爆)ファンなのだろうか。
予告で観た赤ちゃんの背中に羽が生えるというファンタジー、
もっとほのぼのしたコメディかと思いきや、けっこう現実的。
やはりオゾンって普通にハナシを持っていかない監督だ。。
現実的というのは、その、赤ちゃん抜きで家族を顕した部分。
夫不在で(出ていったらしい)7歳の娘と暮らす工場勤めのカティ。
ある日スペイン人のパコが入社し、またたく間に関係を持つ^^;
長らく?夫のいない生活だったカティは突然に色気づき(汗)
その変調を目の当たりにする娘のリザ。お母さんを盗られる…!
こんな時の子供の視線を描くのがとっても巧い監督^^;
やがてリザの苦悩など知らず子供を身ごもり産んでしまうカティ。
まぁ…生まれたら生まれたで可愛がるのだ、おねいちゃんは。
あれほど嫌だったパコに対しても心を拓き、自分と赤ちゃんの
パパとして認めはじめたその矢先…。思わぬ事実が!!
…ハイ、ここからもう、ファンタジーなんで^^;
赤ちゃんの背中にアザができて、コブになって、羽が生えます。
アザの時点で母親は激怒、パコの仕業だと勝手に決めつける…。
右往左往させられるのはやはりまた娘のリザで^^;
あーなんだか母親の方が感情露わで子供っぽい、こんな時、
娘はさすがに冷静だ…と、何だかおかしなところで感無量な私。
やがてその天使?リッキーは、マスコミの話題をさらい始めるが…
羽が生えなかったとしても、子育ては大変!!
その大変さと面白さを巧く描いていると思うのだが、この子を
天使にしたのは、何か意味があるんだろうなぁ~と思いながら、
しばし観ていって…でも最後まで分かんないんだよなぁ・・・^^;
夫婦と家族の再生。はまずまず描けているし、お母さんカティの
やたら裸にこだわる姿勢(多いよね^^;)にはオゾンの趣味が??
顕れているのかもしれず、様々な憶測と感性が交差するお話。
不思議な感覚とややブラックな笑いに包まれながら、
娘の可愛らしさ&美しさ、羽が生えるときの異様なリアル感に
何ともいえない心持ちになる作品。不思議だけど面白い。
(天使ってやっぱり飛びたいんだね?しかもけっこう高速!?)