「世界観を共有できるかが問題」パラダイス・キス ミズスマシさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観を共有できるかが問題
まず、一瞬小泉ジョージ(向井理)はコメディアンの役か?と思いました・;・。「NANA」の時の玉山鉄二のような印象。
宝塚にしてもそうでしょうけど、見た時に作品の世界観に入り込めるかどうか、それ次第で感動するか、爆笑の連続か、興醒めのまま終わるか・・・
見た方の状況によってがらりと変わるように思えました。ちなみに、僕の場合は小泉を見て笑いをこらえながらも見続けたら、作りものの話しの中だけの世界だなと思いつつも入り込む事が出来、楽しむ事が出来ました。
早坂紫(北川景子)が小泉からいつも人のせいにしてる、自分が無い、と言われるシーン、日本人の欠点をえぐり出すような指摘だけど、病んで行く人が多いのもこれが一つの原因だと思うんですよね。精神的に自立して行く事が出来れば問題無いけど、出来ないままだから死ぬまで引きずってしまう。
機能不全家族、共依存と呼ばれるものの典型的な状態。
恋愛関係の設定がグチャグチャになってるのがご都合主義と言うか、強引過ぎるような気もしましたが、原作が少女マンガだからでしょうか。
紫が成長して行く姿に共感を覚えて楽しむ作品なんでしょうけど、やっぱり話しの流れが発表会の所など強引過ぎるような気がしました。作品に振り回されてるような印象。
好きな人は楽しめるでしょうけど、現在恋愛真っ最中だったりしたら、男性でも作品にすんなり入って行けるのではないかなと思いました。
ドラァグクイーンの人が出てましたが、原作を未読なので分かりませんが、アパレル業界だからこう言う人もいるだろう、と言う考えなのかキャラが必要と考えたのかは分からないけど(エピソードがありましたが入って来ませんでした。)、山本裕典にしてもこの方にしても、作品に埋もれるか濃過ぎて分離してるかの印象を受けてしまいました。
芝居の上手下手、心に響くかどうかの問題もあるんでしょうけど、出せば良いって物でも無いような気もしました。偏見を少なくするチャンスだったりするとは思うんですけどね。
後、紫と小泉のキスシーンはやたらと気合いが入ってたような無かったような。あ、小泉は経験豊富って設定でしたね。