「生き続けるということ」わたしを離さないで 宙に浮いた年金さんの映画レビュー(感想・評価)
生き続けるということ
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人間のエゴを全て実現すると、映画のようなクローンによる臓器農場が出来上がるかもしれない。クローンとはいえ人間であるから生の要求、自由の要求はあるはずだが、臓器の提供を受ける側の論理で、従順なコピー人間のみが登場する。全てが生きたいと思う人間のエゴで覆いつくされている。
ラットの体から人間の耳が再生されている。耳に意思はない。恋愛もしない。同級生からいじめられて大声を張り上げない。うわさ話を信じて臓器提供を先送りしたりはしない。ラットの耳であれば、抵抗なく、病気の耳と交換することができるかもしれない。
でも一歩先にクローン人間の飼育を欲しているかもしれない。
この薄皮一枚のエゴの違いがと気になった映画となった。
自分は献体腎移植を待つ透析患者。切に移植を待つエゴに気付かされた。
自分の生も唯一。クローンの生も唯一。その唯一の生を全うしていきたい。
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