「切なすぎる」わたしを離さないで ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
切なすぎる
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新任教師から君たちは臓器提供をするために生まれてきたという真実を告げられた時、なぜ生徒たちはまったく動揺しなかったのか不思議、というか不自然である(トミーは風で落ちた書類を拾い上げる冷静さ?さえあった)。また、青年になっていつでも逃げれる環境にいながら、SF映画「アイランド」のように、なぜ逃げないのかという疑問も残った。
最後、結局猶予申請は噂に過ぎなかったという事実を突きつけられ絶望してしまうが、観ている我々にとっても悲しすぎる展開だ。
個人的には、猶予申請が認められるか、クローン人間による臓器提供自体が反対派による圧力で禁止になるとかで、ハッピーエンドにしてほしかった。最後に3人で行った廃船のある浜辺て、ルースがトミーをキャシーに返して二人が猶予申請して生き延びられたなら、臓器提供をベースにしてはいるが、その実、友情と初恋成就の物語になったはずなのだが。
ハッピーエンドにしたくても、ノーベル賞受賞者の原作を変えるのは恐れ多くてできなかったかとも思ったが、この映画が製作された時はまだノーベル賞は受賞していなかった。
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きりんさんのコメント
2019年4月23日
「どうして逃げないのか」
⇒これ、僕も考えましたね・・
思い出したのは忘れもしないあの事件です。
虐待されて段ボールの中で菓子パンを与えられて生きていた三才児のニュース。
殴られ続けて段ボール箱から逃げる
意思を失い、段ボール箱の中で立ったり寝たりするだけだったそうです。
映画で、柵のそばまで転がっていったボールを拾いに行かなかった子供たちの姿、そして殺されると判っていて逃亡しなかった若者たちの姿。
・・作り話のノンフィクションではない。
心を破壊して洗脳して閉じ込める側の悪魔性を思いました。