「赤面もの」キッズ・オールライト odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
赤面もの
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名作との評判なので気になって観てみたが、まさか中年レスビアン・カップルの話とは面食らった。
確かにこんなシチュエーションのホームドラマは今まで見たことが無かったから、新しい時代の風を感じます。タイトルのThe Kids Are All Rightはレズビアンカップルが人工受精で生んだ子供がどう育つかという不安に応えているのでしょう。
精子ドナーの匿名性堅持と子の出自を知る権利については国や州によって異なるがワシントン州では2011年から「子どもが18歳になる時点でドナーの身元情報と病歴の公開」が可能となったのでプロットの下敷きになったのでしょう。幸いに本作のドナーはまともな方ですが人によっては全く異なるストーリー、場合によってはホラーにもなってしまいますね・・。
元は他人だから、長年連れ添うことで生じる軋轢はレズビアンカップルでも同じですね、蜜時を過ぎれば互いの粗が見えてくるのに不思議はない。
倦怠期の夫婦がポルノを観ながら行為に及ぶシチュエーションは有りそうだが劇中のカップルはゲイのポルノを観て興奮するのだから、ブラック・コメディにしか思えない。ことほど左様に性とは何かがテーマのように露骨なセリフや、描写が頻出するので赤面もの。
子供たちの友人が性的関心が異常に強かったり麻薬にまで手を出す不良の設定だが本人たちはいたって正常、ドナーの男性と一緒にバスケを愉しんだり男親ならではの存在に惹かれる気持ちも描かれる。
だから子供たちを想うなら普通の家庭を持つべきでしょうとは今の時代は言い辛い、結局、特殊な家庭環境でも子供たちは大丈夫よと当たり障りのない幕引きでした。
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