「父性の中の母性。」うさぎドロップ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
父性の中の母性。
原作といっても、端くれの^^;
劇場で試し読みコミックをチラリ読んだだけなのだが…
一度でファンになってしまった♪これは観ようと心に誓い、
そこへ深夜アニメ「ノイタミナ」でも始まったりしたもので、
すっかりうさドロ(この略し方、ダメですかね^^;)ファンに!
可愛いんだわ、この大吉とりんのやりとりが。
まぁ映画版は…なんでSABU?っていうとこからですかね。
コウキママのキャラもまるで違うし、妄想シーンとかねぇ^^;
確かに原作とはまったく違うシチュエーションばかり(爆)
ただ大吉とりんの演技(松ケンと愛菜)は普通に上手いです。
エ?大吉!?とは思うけど(爆)まぁ似てる似てないというのは
確かにかなり気になりますが、しかし松ケンも頑張ってるし~。
愛菜ちゃん演じるりんの風情、結構出てるんじゃないかな。
あまり子供っぽくないんだよな、はじめの頃のりんちゃん。
大吉という最大の味方(おじいちゃん以来の^^;)を得て初めて
心を拓きどんどん強く明るくなっていくのが今作の見せどころ。
大吉とりんの成長過程をどれだけ上手く魅せられるかが鍵か。
うーん^^;やはりアニメには及ばないですが、これはこれで
なかなか面白かったです。変な間、とかありましたけどね~。
原作(もおそらくそうなんだろうけど)アニメで一番驚いたのは
とにかく、大吉のお母さんがまったく手助けをしないところ。
独身の男性が、しかも仕事をきちんとこなしている独身男が、
どうやって6歳の子供を育てていくわけぇ…?あり得ない選択に
あり得ない奮闘が相次ぎ、それでもりんのためには決して音を
あげない、どころか子育てを楽しんじゃっている気がする大吉。
(今でいう、イクメンってやつ?)まぁ~微笑ましいのなんの♪
これだけ愛されれば(しかもおじいちゃんに顔がソックリだしね)
りんもホッとして甘えられるだろうしな。時間を経て、やがて
実家にりんを連れていく大吉に、両親はとても優しい(アニメでも)
あ~そうか。ただ可愛いの面倒みてあげるのと、世話を焼く親は
沢山いるもんだが、こんな風に子供のやり方を見守る姿勢が大事
だったりするんだよな。親になろうとしている子供をその親で
ある祖父母が見守る。とてもいい光景だと、その場面で分かった。
あーでもお母さんて正確にはりんちゃんの姉だし^^;大吉なんて
甥にあたるわけだわね、りんちゃんの。なんだか切ないの~(汗)
お話としてはよくありがちの(映画的に)展開で、新味はない。
アニメの方も子育ての日常をさりげなくほのぼのと描いたもので、
この映画のような事件は、さらに起こらない^^;だからいいのだ。
子育ては毎日が戦争だ(懐かしい~)リアルだった過去は、本当に
コイツはちゃんと大人になれるんだろうか、こんな悪たれ小僧(男)
が私に感謝する日なんて果たしてくるんだろうかと思ったものだが
小僧は善を学んで^^;他人にも感謝できる青年になった(とりあえず)
つまり一番大変なのは…ホントーに…過ぎ去ってしまえば…一時だ!
その大変さを(まぁ教訓として)小煩く、あのお母さんは言ったのね。
犬や猫じゃない(いや、今じゃそっちのが大変^^;)ホントーにそうだ、
りんを捨てた母親が「私には資格がない」なんてことをのたまうが、
要るのは資格じゃなくて、義務と責任と忍耐と、愛情と展望と健康!
ガッツリと何年間か注ぎ込んでやれば、子供はちゃんと見てくれる。
(あ、老後じゃないですけど、念のため。。)
私が小さい頃は父親不在なんて当たり前だった。
せめて運動会くらいだ。今や両親が揃ってお目見えするのに驚いた。
なんと大学の入学式にまでやってくる!!(爆)…らしい。
それがいいのか悪いのか(悪いってことはないか^^;)母親一辺倒だった
子育てに夫婦で取り組もうじゃないか!は確かに良い心がけだと思う。
大吉がひとりで背負おうとして無理だと実感したとき、助けてくれる
仲間がいるというのは本当に有難いことだ。ママ友を作るのは大変そう
だが、少し上の子供を持つ親御さんからは目に鱗の知恵を授かれるぞー。
父性の中に母性が介在する不思議と面白さを味わわせる物語。
大吉はこの先、ずーっとりんを育てていくんだよね。早く続編が観たいv
(しかし高畑淳子の言葉もかなり正しい。あれは重い教訓となりますね)