「村田の「ちょっと痛い」が良い」冷たい熱帯魚 ちんさんの映画レビュー(感想・評価)
村田の「ちょっと痛い」が良い
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2021年1月23日@Netflix
以前から気になっていたが視聴できていなかった作品をようやく観ました。
園子温監督の作品は、『地獄でなぜ悪い』で初めて拝見しました。この監督の作品の中ではライトだったようで、楽しめました。
その後、『愛のむき出し』を拝見しましたが、いまいち作品に入り込めなかった思い出があったので、今作品はどうかなと思っていました。
感想としては、面白かったです。「実際にあった事件」という味付けがあったからこそ、より一層「気味悪く」感じました。
後味は良くないです。
気の弱い主人公の社本が、猟奇殺人犯の村田夫妻に呑み込まれて、最終的には自滅するのですが、家族に言いたいことも言えなかった社本が最後には村田の影響を受けて、暴力で妻と娘を抑えつけるようになる点が印象的でした。
人間とは過ごす環境が変わるだけで、ここまで人格が変化してしまうのかと恐ろしく思いました。
最初、社本は、村田の正体を知っても、妻や村田の店で働く娘のことを心配して、村田の言いなりでした。彼の心の拠り所は妻でした。しかし、妻が村田と寝たことを知ると、今までの人格が壊れます。
我慢しかなかった彼の人生は、「痛い」ものだったのだろうと思いました。
園子温監督が今作品に対して、「残酷さを描きたかった」と言っていたように、実際の事件よりもグロく、作品に大きなメッセージ性はないように思えました。
しかし、人間の脆さというものは痛いほど観察できたと思います。
村田が社本にメタ刺しされたときの「ちょっと痛い」がツボでした笑
作品の一番のメッセージは、神楽さんと黒澤さんの胸が最高ということ。
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