ヘヴンズ ストーリーのレビュー・感想・評価
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物語が一つのまとまりを見せて動き出すのは第4章から。サトは何でこん...
物語が一つのまとまりを見せて動き出すのは第4章から。サトは何でこんなストーカー行為してんのかと思っていたらトモキを焚きつけるのが目的だった。1章でオシッコ漏らしてたのはそういう意味か、幼い心の中で復讐しようとする気持ちがあったのだ。
自分の復讐相手は既に自殺しているからTVで見たトモキの復讐を手伝おうとする。復讐する方とその相手のどちらをも監視していた。
抜け殻を虫の死体と呼ぶハルキの父は復讐代行業。巡り巡ってこのハルキの父の持つ拳銃が新たに生まれてしまった復讐劇に使われることになる。ここにも奇妙な縁がある。
見知らぬ他人に理由なき殺人をしたミツオに見知らぬ人から向けられる銃口。金よこせとか場当たりで意味もなく発射された銃弾。これが引き継がれて、今度は理由ある殺人に使われる。
愛と憎しみと罪と罰と。死と生。この世とあの世。
テーマが多くてまとめられるものではないけど、映画の中での関係性で誰が誰を思うという事の変遷、心の拠り所の話ではないかと思った。
サト→家族→トモキ
トモキ→家族→復讐→新しい家族、ここにサト→復讐
恭子→ミツオ
ミツオ→恭子→復讐
人は心の拠り所を失くしては生きていけないということを思った。
罪と罰
社会が目を背けたくなる、背け続けているセンシティブな内容でしたが、結論として人を殺してはいけない論理的な理由が示されている様に感じました。復讐は連鎖し続け生き残った者に苦しみを与え続けるだけなのではないかと。殺すことや憎しみは、救いにならないのではないかと。
それは国内の殺人事件だけに限らず、世界的な戦争や紛争の事とも繋がる、作品からそんな世界観を感じました。
救いのない悲劇を長々と…とにかく耐える
率直に話が悲惨すぎていやーな感じ。映像も、意図的何だろうけれど、あまりに粗すぎると感じたし、たくさん出てくる主要な人物キャラもことごとく好きになれないし、そして長いし…でも、不思議と興味がつきなかったし、4時間超を一気に完走できた。その要因は、物語の複雑な絡み合いが巧みだったと勝手に分析するところ。
扱っている事柄がほとんど犯罪めいたものばかりなので、必然的に内容も嫌な感じになるのは仕方ないかもしれない。でも、最後の幻想的な語り口が、個人的には納得できかねた。そこに向かって物語が集約していたのかなと感じると、何だか、無駄な時間を耐え抜いてしまった徒労感…結果好きになれなかった作品だが、優れた作品じゃないかなーとは思う。ただ、こだわるところはもっと徹底して作り込んで欲しかったというのが、勝手な願望。
非常に長くて、結構耐え抜いた感はあるけれど、尺自体には不満はない。嫌なストーリーもしかり。最大の不満は映像そのもの。作品の意図するところを映像そのものでもっと明確に表現してほしかったなーというのが身勝手でさらに無理難題を押しつけるような願望だったりする。
復讐の復讐は何を生むのでしょう。
とにかく、長い…。
こんなに長い作品は久しぶりです。
内容が深いのは分かりますが、ここまで長くしなくても良かったのではないでしょうか?
この作品は、少年に妻と娘を殺された夫が復讐を誓う物語。
様々な登場人物との絡みがある中で、犯人の苦悩と残された夫の苦悩、また別の一家殺害事件で一人残された少女の苦悩が、複雑に交わりながら描かれています。
法によって裁かれるだけでは納得できない遺族の思いに、共感してしまう自分がいました。
喪失と再生の物語
普通の映画の倍ほど長さの作品ですが、
その長さを感じさせないほどの力がある作品です。
殺人事件で家族を失った一人の少女の苦悩と再生までの道程が
中心となるストーリーで、そこに同じような境遇の登場人物達が
複雑に絡んで行きます。
それぞれに何らかの原因で平穏な人生を狂わされた、または、
平穏な人生を送ることが出来ない(許されない)人々。
彼らに心の平穏が訪れることは決してないように見えます。
復讐は復讐しか生まない、負の思考は負の連鎖しか生まない。
人間の業とはこんなにも深く悲しいものなのか。
長尺というだけで敷居が高く感じますが、
是非、一度は観てもらいたい作品だと思います。
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