「家族を殺された者の哀しみと希望……」ヘヴンズ ストーリー crazyhorseさんの映画レビュー(感想・評価)
家族を殺された者の哀しみと希望……
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「告白」や「悪人」と同様、本作でも“家族を殺された者の哀しみ”や“人間の運命的なつながり”、“大切な人への熱い想い”が丁寧に描かれている。ただし、本作では第9章(最終章)である種の「希望」を提示する。それは死者と生者との「つながり」だ。
「私が殺したい犯人はもうこの世にはいない」。家族を殺され、その犯人が自殺してしまった。そんなサトには生きる意味はないのか。恐らくサトはこう問い続けていたに違いない。しかし、ラストの人形芝居を演じていたのは死んだ両親と姉だった。抱き合う母娘。そしてサトは走り出す。サトはこの後も生きてゆくだろうと確信できる美しく、哀しい終幕であった。
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