劇場公開日 2010年9月25日

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「災害映画の【長い前フリ】の大切さ」TSUNAMI ツナミ Natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0災害映画の【長い前フリ】の大切さ

2010年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

『タイタニック』や『ディープインパクト』や『パールハーバー』

これらの作品で何度も聞いた否定的な感想
【前フリが長い】や【前半いらない】や
【恋愛話が余計】・・・

『パールハーバー』に関しては【真珠湾攻撃シーン以外
いらない】とまで言う人もいる・・・

この『TUNAMI-ツナミ-』も例外なく
3分の2くらいまではアンサンブルキャストでの
【複数の人間ドラマ】が交錯する展開

もちろんこの作品に対しても 恐らく【ドラマ部分が
長い】などの否定的な意見が多々あるだろう

個人的に思うのは・・・

大災害などを軸に描いた【パニック映画】や
【ディザスタームービー】は 《そこに至る過程》が
長ければ長いほど 悲劇が訪れた時の感情移入に
効果絶大だ と確信している

【アトラクション感覚】で鑑賞しているであろう多くの観客は
一刻も早くスペクタクルシーンを体感したいからドラマ部分を
スッ飛ばしてほしいと思うんだろうけど

個人的にそういう人達には
《焦らずに人間模様を堪能しようよ》と言いたい
《まずはジックリこの世界に浸ろうよ》と

『タイタニック』は出会いから恋愛に発展する1時間の過程が
無ければ【ただの再現ドキュメンタリー】になってしまい
多くの船客の誰にも感情移入できずに終わるだろうし

『TUNAMI-ツナミ-』の場合
【ん?】と思うツッコミポイントは何箇所かあったけど
複数のドラマが結構どれも良い話で・・・
津浪が来るという【悲しい運命】が待っている事を
知っている【観客目線】で観ていると余計に涙腺が緩んだ

そう 【ディザスタームービー】は ほぼ必ず この【悲しい運命】を
知りながら観るという点がポイント

だから 前フリが長ければ長いほど感情移入の度合いが上がり
恐怖と悲しみが倍増されるという仕組み

なので 韓国映画らしい【荒削り】なシーンも多々あるけど
韓国ならではの【感情むき出しな人間ドラマ】と
ハリウッドが手がけた【VFX】の融合が素晴らしい

あらゆる点で神レベルの『グエムル』には届かなかったけど
最高に良く言えば【マグノリア】+【ディザスタームービー】?

Natsuki