「生命の尊さ。」うまれる(2010) ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
生命の尊さ。
おそらく観る人を選ぶ作品だとは思う。
結婚している人いない人、子供がいる人いない人、
赤ちゃんが好きな人そうでない人、多種多様である。
そしてそこに、良いも悪いも、正しいも間違っているも
ない。子供を産まなければ結婚しちゃいけないのか?
子供ができない夫婦は家族である意味がないのか?
もちろん、そんなことは絶対にない。
押しつけがましく思ったり、下らないと思うのも自由。
だけど、そんなことを言ったり書いている人でさえ、
お母さんのお腹から産まれてきたわけで、この世にいる
存在意義を否定してしまってはいけない。
こんな自分もそんな自分も、望まれて生まれてきたのだ。
いや絶対に違う。と、昔は思ったりしたことがあった^^;
なんでこんなに親に虐められて?憎まれている自分が、
一度も可愛いよ♪とか大好きだよ♪と言われない自分が
どうしてこの人達の子供に生まれてきたんだろう、親なら
もっともっと子供を愛していくべきだろうが!?なんて
まぁ~拗ねて拗ねて(爆)本当にひねくれまくっていた。
しかし自分が子供を産み親になり、実際に子育てすると
そりゃ~可愛いばかりじゃないんだ、これがまたクソガキ!
なんて引っ叩いてやりたいことが今まで何度あったことか。
ついでに思い通りに動いてくれない旦那に同じ仕打ちを
してやりたいと、何回思ったことか!(爆)
世のお母さん方も、おそらく、み~んな同じなんである^^;
あんなに辛い思いをして産んだのに、産んですぐ涙ぐんで
ありがとう~♪産まれてきてくれて。なんていったくせして、
そんな記憶は、その時はケロリと忘れてしまうものなんだ。
この作品は、そんな原点に立ち返らせてくれる。
出てくる夫婦たちの奮闘ぶりや、憔悴ぶり、憤り、涙、
出産そのものが幸せばかりを運んでくるわけではないこと、
多くの苦難を与えられ、望んだ結果にもならず、どうして?
とカメラに問いかけられると、観てる方も居た堪れなくなる。
人生は、子供を産んだから思い通りになるわけではない。
産んだら産んだで、幸せも苦労も一緒に待ち受けている。
でも、産みたいと思う気持ち…。女って本当に不思議だ。
様々な夫婦の奮闘ぶりが微笑ましくあり、涙ぐましくもある。
いつまで生きられるか分からない病を抱える子供を育てる
親もいる。でも救いなのは、欲しくて産んだ子供であるから、
どんなに大変でも、夫婦互いに楽しんで子育てをしている。
細かい不安をどんなに考えてもキリがない。ならばいっそ、
大きく構えて好きなことをさせて、楽しんじゃうのも子育てだ。
いったい親の責任ってなんだろな。とも思った。
お金をかけていい大学に入れることばっかりじゃないだろう。
産まれてすぐに、親が子供を放置して死なせたり、
大切に育てた筈の子供に、親が殺傷されてしまったり、
まったくやりきれない事件ばかりが思い浮かぶ昨今だが、
本来「うまれる」のはとてもめでたいことで、その歓びを
享受し、責任を果たしつつ暮らしていくのが幸せである。
責任というと重くのしかかるように感じるが、実のところ、
我が家の息子も私の数倍はオトナである^^;なんというか、、
子供は子供なりにちゃんと見るとこは見て、知ることは知り、
考えに考えて、行動をしている。そんな子供の気持ちを
スッと察して癒してやれる親になりたいと、思いはするが…
常に情けなさを痛感する毎日だ。
(改めて生命の尊さを考える。うまれてくれて、ありがとう。)