「お前に足りないのは、そういう覚悟だよ。」マイ・バック・ページ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
お前に足りないのは、そういう覚悟だよ。
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映画「マイ・バック・ページ」(山下敦弘監督)から。
1960年代後半の学生運動を舞台に、物語は進んでいく。
その混乱の中に入って、真っ正面から向き合うタイプの人間と
ちょっと距離を置いて、動向を眺めるタイプ。
そんな人間の2つのタイプを、当時の世界の出来事で表現して、
こんな会話で、妻夫木聡さん扮する、若手ジャーナリスト・沢田に
仕事に対する姿勢をアドバイスする先輩が眩しかった。
「月かベトナム、どっちかに行けるといったら、
俺は迷わずベトナムに行くな。
お前に足りないのは、そういう覚悟だよ。」と。
世界中の人々が注目し、誰もが憧れる宇宙の「月」よりも、
生きるか死ぬかもわからない「ベトナム戦争最前線」を選べ、
そんな感じなんだろうか。
取材とは、それだけ覚悟がいるんだ、と言い聞かせるように。
会社の上司も「俺たちは、社会の目なんだよ。大事なのは、具体。
そこで何が起こっているかが重要なんだよ」と叱咤する。
そういう覚悟を決めて立ち向かう経験をしないから、
お前が一番伝えたいのは何なのか、俺たちにはわからない、と。
実は、この選択はジャーナリストの話だけではない。
どんな職業でも通じる仕事に対する姿勢であるし、
「現場第一主義」を忘れがちな、私たち管理職には特に、
意識しておかなければならないことだな、とメモをした台詞。
「覚悟」という単語、胸に響くなぁ。
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