「よくできた映画だが…。」日輪の遺産 温故知新さんの映画レビュー(感想・評価)
よくできた映画だが…。
何と言っても20人の少女たちの笑顔がすばらしい。陸軍が奪取した900億円ものマッカーサーの財宝を陸軍工場へ移送し隠匿せよと密命を受けるというストーリーもスリルがあってよかった。十分、楽しませてくれる映画なのだが、そもそも原作の浅田次郎が伝えたかったことと今の日本との間にギャップがあって、なぜ今、映画化する必要があったのかという疑問が残った。
敗戦後の復興。ジャパンマネーがアメリカを席巻する。そんな時代もあったが、失われた10年が失われた20年と言い換えられ、政治の機能不全、戦後経済モデルの限界の露呈、少子高齢化への非対応、IT分野での劣勢などマイナスの要素ばかりが目立つ昨今のニッポン。
この映画を観て、だから頑張らねばとはまったく思えなかった私。映画の発したメッセージが伝わらなかった点が残念だった。
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