「人生でTOP5に入る映画」ぼくのエリ 200歳の少女 タブローさんの映画レビュー(感想・評価)
人生でTOP5に入る映画
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ヴァンパイア映画ではあるがその設定以外にファンタジックな要素は皆無。
めちゃくちゃ暗くて残酷な現実と向き合う少年少女の映画。
本作はとある媒体で「ホラー版小さな恋のメロディ」と紹介されていたが、おそらくそんなに生易しい作品ではない。
まず、主人公の隣の部屋に住んでいるエリはヴァンパイアとして生き延びるために殺人を繰り返している。また、当初父親かと思われた男性はエリとは血の繋がりが一切なく、彼女に血を与えるために同じく殺人を繰り返し、直接的な描写はないがその対価として見た目が少女であるエリから性的な施しを受けて生きている。
それ以外にも色々とあるが、とにかくエリの闇がかなり深い。
そして、主人公のオスカーも学校でいじめを受けていて、こちらもかなりひどい。
そんな社会から疎外されたもの同士が心を通じ合わせ、本当に何が正しいのか、を見つける映画。
だから原題は「Let The Right One In(正しいものを受け入れろ)」らしい。
破滅的な未来しか待っていない二人だが、全体を通して雪が静かに降っている静寂感と背筋が寒くなってくるようなホラー描写、そして少年少女の切ない純愛が美しいことこの上ない。
観賞後には間違いなくメンタルが病むのだが、何故かその余韻がとても美しいものに感じる作品。
一時期は毎晩繰り返し見て永遠に余韻が抜けないようにしていたので、きっと中毒だったのだと思う。
間違いなく自分の人生でトップ5に入る映画だろう。
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