「クロエ・グレース・モレッツ」キック・アス 77さんの映画レビュー(感想・評価)
クロエ・グレース・モレッツ
なにかと話題の『キック・アス』をやっと観ました。これは話題になるわけだわ〜。
まさにアメコミ原作という感じの作品で、それを映画にするにあたってヒーローものの新境地を開拓した瞬間を見せてもらいました。こういう映画史における新しい試みには興奮します。
原作は未読だけど漫画の実写をこんなハイクオリティーでやってくれたら作者もファンもきっと大満足だろうなあ。
こっちの実写の多くはどうもオリジナル脚本いらずで済む、なんだかんだ原作ファンは気になって観ちゃうんでしょ?っていう手抜き感やお得感が拭えないんですが、『キック・アス』はしっかり“映画”なんですよね。序盤から音楽と語りと映像のテンポが最高にいいのですぐ引き込まれてしまいました。
この作品の肝はなんといってもヒット・ガール!
陰(?)の主役も彼女、『キック・アス』が賛否を呼ぶ理由も彼女、他の映画との差別化を計っているのも彼女の存在が大きい。(だから私はこの作品が好き)
観る映画を選ぶ時は基本的に前回観たものに関連のある作品にしてるので、今回はニコラス・ケイジ二連発だったんですが、彼ももちろん良かったけどニコラスの演技力や存在感を凌駕するほどクロエ・グレース・モレッツが良かった!ハリウッドはまた凄い人材が出てきましたね。(キャリアは長いけどこれから主役を張りまくるだろうという意味で)もうホントに凄いんです!w 『レオン』のマチルダを見た時の感動がまた味わえるなんて。
ニコラス親子の初登場シーンがまず衝撃。大人の男が小さい女の子を撃つという映画とわかっててもなかなかショッキングな映像。…え?練習?
子犬や着せ替え人形が欲しいという娘の“ジョーク”に引いてるお父さんw 結局ナイフ貰って大喜びしてる娘。…なにこの親子?w
という風に興味津々になってしまった所にビッグ・ダディとヒット・ガールの登場!
あんなに可愛い女の子があんな陽気な音楽の中あんな色んなスキルを駆使しながら軽々グログロと人を殺しまくる画を初めてみました。 (あのアクションを11歳のクロエちゃんがやってるなんて!)
主人公同様、飛んだりビームだしたりもできないし、○○パーンチ!○○キーック!みたいな従来のヒーローの爽やかな感じでもなく生々しい殺人。血も出るし、痛い。
彼らを“ヒーロー”と呼ぶのは少し抵抗があるし、ビッグ・ダディ復讐に娘巻き込んで学校も行かせず何やってんのとも思うけど、
その後の暗闇の銃撃戦のヒット・ガールのかっこよさ+「見世物は終わりよ」には痺れずにはいられなかったし、父親の最期に「私も愛してるわ、おやすみなさい」をしっかり言える“ミンディ”はやっぱり愛情を受けてないと出せない凛々しさがあって。
とにかく時間が経つごとにクロエちゃん、いやクロエ・グレース・モレッツという女優さんの虜になっていましたw
全く触れてこなかったけどw、主人公を演じたアーロン・ジョンソンもまた素晴らしい新鋭です。あんなイケメンなのにちょっとイタいオタクっぷりが完璧でした。成長してくにつれかっこよくなる感じも。
「子供相手にムキになるなよ」と言ってバズーカを撃つ姿は全部持っていっちゃってましたw