「アクション映画のレベルを引き上げた秀作」SP 革命篇 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション映画のレベルを引き上げた秀作
前作「野望篇」に比べると、ややおとなしい作りになった印象をうける。アクションよりも尾形(堤真一)の心の葛藤に焦点をあてたためだが、あれもこれもと欲張らずにテーマを絞った潔さに感心する。
「野望編」で日本映画ばなれしたアクションをたっぷり見せておいて、その物語の底辺に潜んでいた人間模様を今作「革命篇」で前面に押し出す構成は、企画段階での摺り合わせがよく出来ているのと、波多野監督の演出力と懐の深さを感じさせる。
今回の見どころはテロの現場となる国会議事堂本会議場のセットだ。よくできている。臨場感が格別だ。
拳銃を抜いた井上(岡田准一)ら4名が突入するシーンは、なめらかなスローモーションで、抑えていたものを解き放つような見せ場を作る。ここでは真木よう子の扱いがひときわ目立つ。
そして忘れてならないのは菅野祐悟の音楽だ。メインテーマの旋律が耳に残る。
日本映画におけるアクション映画のレベルをかなり引き上げた秀作。
p.s. 震災による映画館の休館や、店の移転が重なって、1ヶ月のあいだ映画から遠ざかってしまいました。震災の翌日に観る予定だった「SP 革命篇」から再スタートです。
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