「 元はイタリア社会党で活躍する革命闘士といったムッソリーニ。帝国主...」愛の勝利を ムッソリーニを愛した女 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
元はイタリア社会党で活躍する革命闘士といったムッソリーニ。帝国主...
元はイタリア社会党で活躍する革命闘士といったムッソリーニ。帝国主義批判、反政府運動にも積極的で党のアヴァンティ紙の編集長も務める。しかも反戦派だったのに、第一次世界大戦が勃発すると参戦派になり、仲間からも罵られるようになった。
映画ではあっという間にムッソリーニは首相となり、イーダは首相夫人の地位を主張するが偏執狂として精神病院に収監され、息子アルビーノとも別れ別れに。後半はフィリッポ・ティーミ演ずるムッソリーニは姿を現わさず、実物の記録フィルムによって上手く編集されている。そして、ほとんどがイーダの精神病院生活。息子と一緒に映画をよく観に行ったらしく、そこではチャップリンの『キッド』を観て生き別れとなった息子を想い涙するところがいい。
ムッソリーニの夫人だということが証明書がないため認められないが、息子を認知したということだけは主張し続ける。やがて病院の修道女の計らいで脱走(?)して、息子の後見人である義弟の屋敷を訪れるイーダ。しかし、そこには警官が・・・ところが、護送されるイーダの周りには彼女を応援する村人たちの姿。なぜ?と、唐突に感動させる手法か?
印象的なシーンは多い。これも実写フィルムと融合させた効果の相乗効果か。脳裏に焼き付くような絵として、イーダが病院の鉄格子を登って、首相や教皇などに宛てた手紙をばらまくシーン。また、大人になった息子がムッソリーニの物真似をするシーン(ティーミの二役だから当然似てる)。残念なのは、イーダが若いままの風貌だったので、時の流れを感じないといったところか・・・
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