岳 ガクのレビュー・感想・評価
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好きなら学ぶこと。
原作はもちろん^^;読んでないので、この三歩という人物がどんな
行動をとるのか、ホントにこんな喋り方をするのか?とか、いつも
予告を観ながら思っていたのだが、予想したより遙かに良かった。
山屋、といわれる人々には多分ツッコミ所が満載なんだろうけど^^;
私は行くならもっぱら海!だったので、山には全く興味がなかった。
スキーもしないし、登山にも興味がない^^;ただ子供時代は、遠足や
夏期キャンプなどでしょっちゅう登山させられていた(爆)気がする。
だからトラウマになっちゃったのかしら…やや情けない…
しかしこの歳になると(爆)美しい山の景色とかはいいなぁ~と思う。
結局見る、だけなんだけど。。あ、あと温泉かしらv
おそらく原作は漫画なんだろうとすぐに分かる。そんな展開と作り。
おおよその展開は読めるし、出てくるキャラクターも想像どおりで、
これといって目新しさは感じない。新人と遭難者が喚き散らすのも、
あぁ~やっぱりこうきたかという感じで本当に定石通りに展開する。
…が。
やはり遭難。の実態を知らない自分にとっては衝撃事実も多かった。
昨年だったか、いま流行の登山ブームに乗ってお年寄りたちが登山、
ガイドの指示に従って歩くも天候を見誤り遭難…そのまま帰らぬ人に。
そんな事故が随分相次いだ。新参記者が服装を誤り、ガイドの指示に
従わず無理やり山に入りそのまま遭難…などという事故もあった。
なんだかその度に腹が立ったものだ。一体自然を何だと思っている?
私は海派だった、と書いたがそれは友人がサーファーだったからで、
(私はといえば、いつも見物人。やる気もなかったんですが^^;)
サーファー勢もとにかく一年中海に行きたがる(爆)ので危険が沢山。
台風の前なんかバカみたいに大騒ぎするので急いで止めたものだ。
…遭難したらどうするの?の問いに、もし捜索ヘリを飛ばせば○○万、
海難救助隊が出れば○○万と聞かされ、だから捜索しなくていいよ~v
って、お前正気か!?と思える返事をもらった記憶がある。ホントにx
でも事故の恐ろしさは本人が語るより、とてもよく心得ていたものだ。
まったく怪我をしないことはあり得ないし、天候を見誤ることもある。
だけど危険を推して行動して「吉」と出るケースなどまずないのである。
初めて山に登るなら、どんだけ危険か自分で熟知しておけ!である。
今作でも語られる「撤退する勇気」は自然を前にしたら当たり前なのだ。
さて、感想が横道にそれてしまったけど^^;
そういう自然に対する脅威が事細かく描かれ、遭難死に対する扱いも
とてもリアル。ああいう仕事をしている人達は常にあんな現場を見て
救えなかった死者を目の当たりにしているんだ、、と思うと心が痛む。
しかし三歩の、それでもまた山においでよ!という言葉には救われる。
危険と隣り合わせとはいえ、ルールを守り山を満喫することは大賛成。
好きなことをムリに止めることなどないし、経験を積まなければその
危険を回避する方法も学べない。だからああして山のプロがいるのだ。
新人の久美がそうしたように、プロからたくさん学べばいい、と思った。
後半の原作にはない(らしい)やたらドラマチックな展開はさておき^^;
山岳救助隊の日常がよく分かる作り、更に三歩のような山のプロには
ある種の「勘」のようなものが発達し、寸でのところで救助ができる?
こともあり得ないことではないと感じた。とにかく景色は素晴らしい!
高所恐怖症(私も同じ!わっかる~!)なのに、よくあんなところまで
登ってコーヒーなんぞ(爆)飲めたものだ、と尊敬に値する小栗旬である。
皆さん、ロケお疲れさまでした。
(山に捨てちゃいけないもの、ゴミと命。あと、ペットも絶対にダメっ!)
山岳版の海猿
ひとことで言えば、山岳版の海猿ですね。
山岳救助をテーマに話を作るとしたら普通こうなるだろうというストーリーで、特にひねりがあるわけではありません。
でもまあ、命の現場なので、それなりのドラマにはなっていたと思います。
小栗旬演じる三歩のキャラクターですが、シーンによって、少年のように屈託がなく(若干おつむが足りないように…)見えたり、最高の山岳技術と信念を持ったプロフェッショナルに見えたり、ちょっと定まっていない印象でした。もともそそういう人物像なのでしょうが、何か引っかかりました。
それにしても、やっぱり壮大な山の景色は絵になります。山頂に一人立つ小栗旬を空撮の超望遠からグーッと引いていくカットは、それだけで山という存在の大きさや美しさや恐ろしさを伝える説得力があります。
ストーリーの合間に入る様々な山の表情に、★一つオマケです。
景色が最高!
CGはなるべく使わず実写にこだわった…ということは聞いていたので楽しみにしていましたが、空撮での山々はホントに素晴らしく、その景色に音楽がよく合っていて、これだけでもお金を払う価値はあると思いました。
もともと小栗さんのファンでしたが、この作品ではいい具合に力が抜けていて三歩の良さがよく出ている感じです。
山は素人の私ですが、スタントなしのクライミングも圧巻でした。
それ以上に、長澤さんに「よく頑張った!」と言ってあげたいくらい、体当たりの演技でした。
ストーリーもツボをよく押さえていて、上手くまとまっていたと思います。
また見てみたい映画です。
生きることは・・・諦めないこと
雪山の映像だけでもスクリーンで見る価値がある。この景色はぜひ観てほしい。音楽も素晴らしい。
映画は何を優先するか。人の心の流れの緻密さが見られない映画は映画でないという人には、このストーリーは物足りないかもしれない。でも違う気もする。
なぜならその斜め上をいく、小栗扮する三歩がいるからだ。主人公には珍しい受け身ながら揺るがない圧倒的存在感で観客を引き込む。
三歩とは逆に、動的存在新人救助隊員久美を演じる長澤まさみ。揺れる心、頑なさ弱さふがいなさ、できなくて悔しいという表情がとてもいい。自然なのだ。だから最後の最後に見せるプロとして「はい」と言うときの顔がとても良く映える。三歩のぶれなさがあるから、久美が成長していく過程がより引き立つ。他キャストもそれぞれの仕事をきちんとしているから、予定調和であっても映画を見たーという気持ちにさせてくれる。
付け足すならば、ストーリー自体も決して悪くはないのだ。それぞれのエピソード、後半の展開、要所要所ではっとさせるシーンも割とある。三歩の過去を知った久美が自分の心を打ち明けるシーン。
何かにつまづき落ち込むことは、私たちにもよく経験があることだろう。久美はいわば普通に生きている人たちの代弁者でもある。強い三歩に久美が問いかける。だか三歩は決して大げさなことは言わない。
これに対するアンサーは、劇中で三歩が自分の名前を使って答えてくれているのではないかと、そう思わせるシーンがあることに数日後気付いた。
それは久美だけへ答えているのではなく、観客みんなへの応援賛歌になっている。
老若男女年代を問わないのは、三歩のよう。
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