岳 ガクのレビュー・感想・評価
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景色が最高!
CGはなるべく使わず実写にこだわった…ということは聞いていたので楽しみにしていましたが、空撮での山々はホントに素晴らしく、その景色に音楽がよく合っていて、これだけでもお金を払う価値はあると思いました。
もともと小栗さんのファンでしたが、この作品ではいい具合に力が抜けていて三歩の良さがよく出ている感じです。
山は素人の私ですが、スタントなしのクライミングも圧巻でした。
それ以上に、長澤さんに「よく頑張った!」と言ってあげたいくらい、体当たりの演技でした。
ストーリーもツボをよく押さえていて、上手くまとまっていたと思います。
また見てみたい映画です。
生きることは・・・諦めないこと
雪山の映像だけでもスクリーンで見る価値がある。この景色はぜひ観てほしい。音楽も素晴らしい。
映画は何を優先するか。人の心の流れの緻密さが見られない映画は映画でないという人には、このストーリーは物足りないかもしれない。でも違う気もする。
なぜならその斜め上をいく、小栗扮する三歩がいるからだ。主人公には珍しい受け身ながら揺るがない圧倒的存在感で観客を引き込む。
三歩とは逆に、動的存在新人救助隊員久美を演じる長澤まさみ。揺れる心、頑なさ弱さふがいなさ、できなくて悔しいという表情がとてもいい。自然なのだ。だから最後の最後に見せるプロとして「はい」と言うときの顔がとても良く映える。三歩のぶれなさがあるから、久美が成長していく過程がより引き立つ。他キャストもそれぞれの仕事をきちんとしているから、予定調和であっても映画を見たーという気持ちにさせてくれる。
付け足すならば、ストーリー自体も決して悪くはないのだ。それぞれのエピソード、後半の展開、要所要所ではっとさせるシーンも割とある。三歩の過去を知った久美が自分の心を打ち明けるシーン。
何かにつまづき落ち込むことは、私たちにもよく経験があることだろう。久美はいわば普通に生きている人たちの代弁者でもある。強い三歩に久美が問いかける。だか三歩は決して大げさなことは言わない。
これに対するアンサーは、劇中で三歩が自分の名前を使って答えてくれているのではないかと、そう思わせるシーンがあることに数日後気付いた。
それは久美だけへ答えているのではなく、観客みんなへの応援賛歌になっている。
老若男女年代を問わないのは、三歩のよう。
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