「お前みたいな奴をなんていうか知ってるか?・・アマチュアだ」岳 ガク shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
お前みたいな奴をなんていうか知ってるか?・・アマチュアだ
映画「岳 ガク」(片山修監督)から。
もちろん、気になるフレーズとして、誰もが感じた
「生きてた君に感動しちゃった」「また、山においでよ」
「山に捨てちゃいけないものは? ゴミと・・命」というクイズなど、
多くのメモはしたけれど、私は敢えてこの台詞を取りあげた。
「お前みたいな奴をなんていうか知ってるか?・・アマチュアだ」
その前に、こんなシーンが展開されている。
長澤まさみさん扮する新人救助隊員の椎名久美が、
遭難者と遭遇し、自分で助けたいと無線で指示を仰ぐ。
そんな時、無情にも上司は彼女に指示を出す。
「お前には、まだ無理だ。そこは訓練場じゃない 命令を守れ」と。
それでも助けたいと、自分の気持ちを優先した彼女に、厳しい言葉が続く。
「聞こえなかったか? 命令だ。
休暇中だろうか、なんだろうが、プロとして、無責任な行動は慎め」
それでも「プロだから、見過ごすことはできないんです」と言い放つ、
緊迫したシーンであったが、自分勝手な行動をした彼女に対して、
のちに救助に向かったヘリコプターの操縦士が、彼女に諭す。
「お前みたいな奴をなんていうか知ってるか?・・アマチュアだ」
自分の感情だけで行動する奴は、見た目にはカッコいいけれど、
冷静さに掛けた判断では、結果は最悪状態を生むことになる。
さらに大きな二次被害を生むことになることも考えず、
自分の思い込みの「正義」だけで突っ走るのは、アマチュアだと、
プロ意識を主張する彼女に言い切るシーンに、私は感動した。
どんな仕事でも「プロ意識」が邪魔になることも多々ある。
もう一度、誰のための行動なのか、を再認識して判断基準としたい。
「お前みたいに『プロ』を口にするだけで、冷静な判断ができない人は多い。
それは「アマチュア」だと言い切る、ヘリコプターの操縦士のプロ意識、
ストーリーと無関係かもしけないけれど、大切なことだと、私は思う。
最近、こういう台詞で、後輩たちを指導する先輩が減った。
是非復活して欲しい、先輩・後輩、上司・部下たちの人間関係である。