「三歩の実写化に驚き」岳 ガク ちゅうみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
三歩の実写化に驚き
何といっても小栗さんの三歩の魅力が一番でした。
どんなアクシデントに遭っても決して諦めるコトなく、
まるで山のような大きな包容力で、過失の遭難者を責めることなく、
要救助者が亡くなっていても、「よく頑張った」と労わりの声をかける。
そのクセ「ちょっとサンポに行ってくる」とふもとに降りると迷子になって遭難。
そしてふもとから山奥までは、殆ど瞬間移動・・・
本当にコミックの映像化が難しそうなほどの大らかさですが、
笑顔&とぼけた味わいの山男を、嫌味なく飄々と演じ好感が持てました。
また、胸に秘めた想いを口にすることなく、 訓練に励む長澤さん演じる久美は、
下界での常識は通じない山での常識に、様子を伺うことなしで、
いちいち正論をぶつけてくる、セリフとは言え少々面倒臭さを感じましたし、
過酷な出来事の連続で、自分の未熟さ&無力さに苛立つ反面、
何事にも動じない 三歩の大らか過ぎる言動に反発を覚えるあたり、
「いい加減、自分の感情にばかりに走っていないで」と言いたくなるのは、
たぶん長澤さんが名演だからかと・・・
しょっぱなから現実的にはあり得ないシーンの続出、見せ場の連続で、
少々小さくまとまった感はあるものの、北アルプスの名峰たちも堪能でき、
飽きることなくラストまで観れるエンタティメントに仕上がっていると思います。
聞きとり辛いところがチラホラあったコトが少々残念でしたが、
どんな目に遭った人にも、彼が必ず笑顔でかける言葉
「 また、山においでよ 」
気負いなくかけるこの言葉、ほんとうに素敵な言葉だと思います。
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