劇場公開日 2011年9月10日

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「そつなくまとまってるけど食い足りない、という印象」グリーン・ランタン 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5そつなくまとまってるけど食い足りない、という印象

2011年9月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

『007』の2度のリニューアルを成功させたり、
『マスク・オブ・ゾロ』なんかも監督してたりと
エンタメ作品には滅法強いマーティン・キャンベル監督最新作。

結論としてはね、ええと、面白かったです。
恐怖を乗り越え、自分の可能性を信じて戦いに挑む展開に熱くなれる。
観て損ナシの3.5判定付けさせてもらいました。

面白いんだが、なんだろうな、この物足りなさは。
例えばね、
伝説の戦士アビン・サーの伝説っぷりとか、
パララックスがどれほどの脅威かを示すシーンとか、
イマジネーションを形にする為の訓練シーンとか、
ランタン・コアの他メンバーの活躍や友情とか、
主人公ハルのメガネの友人のコメディリリーフっぷりとか、
なんか色々と食い足りなかった感が強い。
特にヘクター博士にはもっと派手に暴れて欲しかったなあ。
可哀想な奴なんだから、もっとハメを外したって良かったよね。
けどティム・ロビンスはもっと活躍させて欲しかったよね。

アクションシーンも、
アクション自体はスケール感があっていいのに、
全体のボリュームとしては割と少ないし、
イマジネーションを自由に形に出来るのなら
もっと思い切った巨大なアイデアを形にして欲しかったなあ。
そこが“グリーンランタン”の売りなんですから。

まあヒーローの誕生・成長・そして戦いまでを描くのだから、
それなりの密度の物語になってしまうのはしようがない。
それを2時間足らずに収めたんだから『そつなく上手くまとめたな』と感心する。
とはいえ、ね……。
言うなれば、
「多彩でそこそこに味も良いコース料理だったけどなんか全体的に量が少なくない?」
的な印象。
数多のヒーローものと比べるとインパクト不足な感は否めない。

他のレビュアーさんも書いてたが本作、全米での興収もあまり芳しくなかったそうで。
思い起こせば、怒ると緑色の巨人になる方の映画とか、
緑の蜂がトレードマークの新聞社社長の映画とかも、
確か興業的に苦戦してた記憶があるなあ。
そんなに種類はいないだろうが、ひょっとすると
緑色が絡むヒーローの映画化ってのは鬼門なのでは。
……あ、けど忍者タートルズは大ヒットして『3』まで作られてたよね!
って例外、古ッ!!

本作も続編を伺わせるラストだったけど、ちょっと難しいか?
けど“数年してからリメイク”みたいなパターンだけはやめてほしいなあ。

<2011/9/11鑑賞>

浮遊きびなご